茨木市の再生可能エネルギー推計
2007年度 調査報告書 第3集
追手門学院大学 経済学部 西村 和志
西村ゼミ 05・06生 07生
2009年2月25日 発行
目次
1.はじめに 西村 和志
2.「茨木市の再生可能エネルギー推計」西 村 和 志(経済学部経済学科)
2.1 はじめに
2.2 調査報告書
2.3 実地調査の実施経過
2.4 再生可能エネルギーの調査
2.5 工作の完成
2.6 おわりに
3.太陽光・太陽熱利用の調査 西村 和志
3.1 調査の地域
3.2 茨木市の調査結果
4.ペレット製造
4.1 ペレット製造工程 長谷川 雄士
4.2 茨木市への導入 相馬 誠
5.廃材発電
5. 1 訪問記録(春日町舎) 小島 一晃
5.2 兵庫パルプ工業の訪問報告 木村 真也 小島 一晃
5.3 茨木市への導入 小島 一晃
6.バイオ・ディーゼル
6.1 体験訪問の報告 志田 祥吾
6.2 装置の仕組み 杉本 隆浩 竹内 智弘
6.3 茨木市への導入、設置場所、導入可能か 新宅 勇樹
7.マイクロ水力発電
7.1 滋賀県比良山系におけるマイクロ水力発電設備 今堀 雄太
7.2 比良山系マイクロ水力発電のCO2削減量について 中澤 健太
8.風力発電 加茂 良太
8. 1 体験訪問の記録
8.2 装置の仕組み
8.3 茨木市への導入について
9.茨木市での統合モデル 西村 和志
9.1 資源の推計
9.2 エネルギー換算とCO2・kg
10.おわりに 西村 和志
1.はじめに
本報告書の目的は、近畿圏を中心に、再生可能エネルギーを利用している自治体、企業、森林組合などの施設を見学し、沿革・取り組み・運営などを説明していただき、そのときの資料などをもとに、茨木市に導入可能かを検討することである。最後に、再生可能エネルギーを推計するモデルを提案している。本研究のために、追手門学院大学から、「2006年度および2007年度特色ある教育プロジェクト」の助成金をいただき、西村ゼミ演習IおよびU(03回生、04回生および05回生)が、次の実施計画に基づいて、調査した結果と研究レポートを作成した。
2007年度の実施計画
・ 太陽光・太陽熱利用の推計のための実地調査をする。
・ バイオマス・水力・風力のエネルギー推計のための実地調査と導入している自治体等を見学する。
・ 森林組合の活動と議定書算入できる森林は、実際、どう手入れしなければならないか、見学する。
・ 再生可能エネルギー推計について研究報告書を作成する。
第2節は、『特色ある教育 2007年度 大学報告書』追手門学院大学に西村和志が報告した原稿に、2件追加した。第3節は、第1集および第2集において、続けている「太陽光・太陽熱利用の推計」の調査結果である。第4節から第8節までは、各研究班が、見学した事例を報告し、茨木市への導入可能性を検討している。第9節は、自治体の再生可能エネルギー推計のためのモデルを提案している。
2.「茨木市の再生可能エネルギー推計」西 村 和 志(経済学部経済学科)
以下は、西村和志「茨木市の再生可能エネルギー推計」『特色ある教育 2007年度 大学報告書』追手門学院大学 2008年5月25日,p.1−6 に発表した原稿に、見学2件を追加した。
2.1 はじめに
目的
2007年度の実施計画
・ 太陽光・太陽熱利用の推計のため実地調査をする。
・ バイオマス・水力・風力のエネルギー推計のための実地調査と導入している自治体等を見学する。
・ 森林組合の活動と議定書に算入できる森林は、実際、どう手入れしなければならないか、見学する。
・ 再生可能エネルギー推計について研究報告書を作成する。
・ 太陽光・太陽熱利用の工作物を各班で制作、創意工夫で発展させる。
教育的意義
・ テーマについて実地調査、企業・自治体訪問、文献研究活動を通じて、研究報告書にまとめ公表することで学生に研究活動の方法を学ばせる。
・ 教員と頻繁に各班と連絡を取るので、教員と学生のコミュニケーション、班内の結束と班間の協力が強まる。
2.2 調査報告書
第2集の発行
調査報告書第2集は2007年7月に発行した。私が執筆した原稿もあり、各原稿が引用した文献等のチェックをすると予定より時間がかかった。参加したゼミ生および関係者に送付することができた。2007年度の演習Tおよび演習Uの学生に、配布した。
第3集作成
調査報告書第3集は、昨年度の各班の見学で不十分な点があったので、各班は秋学期ふたたび、見学し、写真や資料を集めた。そのため、本報告の段階で見学が済んでいない班もある。第3集は、写真等を貼り付けるので、より明確になる。2008年5月には発行できるようにしたい。
2.3 実地調査の実施経過
2007年12月、演習Iの学生が作った各班に、調査用紙を渡し、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域および準住居地域の5地域に分かれ、例年通り調査した。この結果は、調査報告書第3集に載せる。演習Uの学生に、商業地域の電力・ガス・その他の使用状況調査を依頼したが、まとめられなかった。次の課題である。
2.4.再生可能エネルギーの調査
1) サッポロビール株式会社大阪工場 2007年6月19日(火)13時より14時30分
ゼミの時間を見学に当てた。午前中、授業がある学生が多いので、集まりを心配したが
時間どおり正門前に17名到着した。あいにくの小雨で、目的の施設は、工場の外側にあるので、担当の職員の方とともに、傘を差しつつ、処理工程を説明していただき、最後に、メタンガスのボイラーのある施設を見学した。2008年3月で工場は閉鎖されるそうで残念な気がした。そのあと、サッポロビールの製品紹介と環境対策について、パワーポイントで説明していただいた。大阪には、食品業界が多いが、廃棄物処理を工場内で、固形物、メタンガス、排水を一貫して行い、廃棄物処理費を、堆肥販売、メタンガス利用で軽減している事例は多く報告されていない。特に、中小企業では、下水道のない一般家庭ように、簡易浄化槽で1次処理をし、処理業者に処理費を支払っているのだろうか。サッポロビールでは、最終処理した排水は下水に流している。
学生の感想
今回バイオマス利用の施設を実際にみて、とてもよい経験になりましたし、社員さんが丁寧に説明してくださったのでとてもわかりやすかったです。食品の廃液から微生物を利用し、水素ガスやメタンガスを発生させて燃料電池及びボイラーの燃料として利用しているということで、すばらしい取り組みをされているなと思いました。
他にも地球温暖化防止に対するCO2排出量削減のために業界他社に先駆け(コージェネレエーション、高効率ボイラー、嫌気性廃水処理設備などを積極的に導入してこられたということで、サッポロビールさんの環境意識の高さがうかがえて、素晴しい企業だと思いました。他にも容器リサイクルの推進や自動車向けバイオエタノールの共同開発を行われるということで、ますますそれらの環境に対する取り組みを続けてほしいと思いました。
(山本 康隆)
2) 京都市京北町周山森林組合 2007年9月4日(火)10時より12時
9月4日9時京北森林組合を目指したが、事務で教えられた場所が間違っていて、10時森林組合に到着した。組合の方に会って、学生7名に1時間、林業の活動と現状・課題を話していただいた。京北町はかつて、椎茸栽培のほた木や薪炭の燃料を作っていたが、高度成長期、石油にエネルギー転換が生じ、植林に切り替えたそうだ。人は出て行き、零細林業家ではなかなか下草刈り、間伐も思うようにいかないらしい。京都議定書では手入れをしなければ、CO2削減に算入できない。京都市は京北町を平成の合併で市に編入したが、ねらいは、森林の算入にあるということだ。しかし、組合の方は「森林は手入れしないといけない」ということをしきりに強調されていた。隣の滋賀県の森林公社は1000億円以上の債務がある。切り出しから製材販売まで流通経路が伝統的であるし、状況は同じだろう。西日本の森林は、将来、温暖化で広葉樹化するし、杉、檜は全山植林してもうまく育たない。杉、檜の根が深く入って、山を早く破壊してしまう。むしろ、山稜から100bは広葉樹にした方が、腐葉の肥料効果が出て、木もよく育つし、手入れもしやすく出荷しやすい、田にも梅雨期の雨水に肥料効果が出るという話をしたら、組合の方も同様なことを考えておられるということだった。最後に、私は、ボランティア活動か中国・東南アジアの臨時林業労働者を村ごと提携し、定期的に手入れするのはどうかといった。その後、最近、森林研究の団体が間伐の効果比較林をつくったということで、車で現場に行き、実地に説明していただいた。午後、南丹市美山町のかやぶきの里に行くバスを待っていると、私と同じぐらいの人がセンターのそばの病院帰りで、なんとなく話していると、かつて森林の作業をしていて、森林のことは何でも分かるとのことだった。木の伐採・搬出はかなり経験がいるそうだ。この人も植林後、町へ出て退職後帰られたのだろうか。かやぶきの里の帰り、2時間以上バスの便がなかったので、別のバスがある国道まで歩いた。すると、途中の峠の休憩所前に、美山町の間伐展示林があった。夕暮れだったが、日が入り、地面はこけむして、すがすがしかった。次の日学生に美山町に行ってみたらと勧めた。
3) 油藤商事・あいとうエコプラザ菜の花館 2007年11月15日(木)13時より17時
12時JR近江八幡の改札口に学生4名と教員が集合した。レンタカーを借りた。かなりあちこち探したが、豊郷町の油藤商事を見つけることができた。店の人に天ぷら油をディーゼル油にして販売していることを説明してもらった。予約すれば、話を伺えるということであった。環境関係の団体がよく見学にこられるそうだ。次に、あいとうエコプラザ菜の花館にいった。前回では準備が不十分であり、到着まで2時間かかったが、今回は車なので十分時間があった。他の団体が10人以上施設の説明を受けておられ、その後、われわれと一緒に、事務所の方が、天ぷら油から製造されたディーゼル油を視察バスに給油しているのを見学した。精製装置はそれほど複雑なものではない。油藤商事の場合も倉庫の一部で精製されていた。学生は事務所で資料をもらい、展示されている資料も学生が記録した。関連図書コーナーがあり、学生に報告書を作成するとき、参考にできる本を書かせた。大学で、これらの本はすぐ手に入って学生に勉強させることができた。
4) 滋賀県大津市志賀町木戸 2007年11月17日(土)13時より15時
11月17日13時、JR大津駅で学生2名と集合した。レンタカーを借り、志賀町のびわこバレーリフト乗り場跡に行った。びわこ成蹊スポーツ大学と志賀の自然を活かす会が建てられた小屋には、発電のデータが解説してあった。小屋の中には、扇風機があった。リクリエーションの電源に使うという話であったが、リフト乗り場の照明に使われたのだろうか。小屋の中に、水車がありパイプで接続され、自動車用の発電機で発電できるように完成していた。黒い塩ビパイプが小屋からくねってさらに上流にむかっていた。予想以上に、高いところから受水していた。
5) 豊中市水道局寺内配水池 2007年12月12日(水)13時30分より14時30分
地図で探しても、寺内配水池がどこにあるかわからなかったが、高台にあった。13時30分、学生が3名来ていて、また、水道局の2人の職員の方がちょうど来られて、配水池の戸を開けられるところだった。他の自治体からも導入可能か見学に来られるそうだ。配電盤に発電中の電力が表示されていた。貯水池の電力をまかない、残りの電気は、設備の償却に当てられるとのことであった。システムの管理は関西電力の子会社がしているそうである。ここの配水池の位置と水量が安定しているので、発電も効率的に安定発電できるそうだ。この電力は再生可能エネルギーに算入されるので、議定書の目標に対して関西電力にもメリットがある。そのあと、実際の配水管を利用した小水力発電の見学とそれに関する話をうかがった。学生も質問した。
6) 真庭市2007年12月19日(水)11時より14時30分
12月19日新大阪にて学生2名と合流、岡山・津山経由で中国勝山に10時57分についた。真庭観光協会のお世話で、「勝山木材ふれあい会館」にて、市役所職員から、バイオマスタウン構想の取り組みを1時間、説明を受けた。はじめは、過疎化していくので、伝統産業である、檜を中心とした林業の資源を利用して、エコ製品を作り出し、それで、過疎化を止め、観光にも力を入れ、地域を活性化しようと民間が立ち上がったそうだ。昼食後、町並み保存地域をとおって市役所に13時20分についた。そのあと、銘建工業(株)本社工場のペレット製造、ペレットボイラーと発電、温水プール「水夢」のペレットボイラー、ランデス(株)の木材チップスの建材利用、三井造船(株)「エタノール製造設備」の順で見学し、16時20分JR中国勝山駅についた。岡山県の電気事業の団体さんといっしょにまわった。この町を訪ねてくる人が多く、それぞれの会社が対応するのは大変なので、観光協会でツアーを用意したそうである。まず、銘建工業は職員の方がペレット製造、ペレットボイラーと発電を説明しつつ見せてくださった。ランニング・コストを上回り利益が出ているということである。スウェーデンやオーストリアの材木を合成材にするのが本業で、その際でる木くずを利用している。地元の間伐材などではないのが変なところである。市役所の方は未利用の間伐材資源を利用したいということだった。林業家の規模は大きくないといわれた。森林組合の方向性が一致して、計画集荷・製品化・木くず利用の経営計画が出来にくいのかもしれない
観光協会の人がランデス(株)の製品展示室と展示園を説明してくださった。これも間伐材をチップ化してコンクリートで固めブロックをつくるそうだ。ブロックで護岸ののり面にはり、動植物が生存できる環境を作るそうである。歩行者用道路のブロックもあった。最後に、三井造船(株)の実験設備のある工業団地にいった。職員は3ヶ月に一回来て、普段は締めてあるそうだ。主に2段階あり、木材チップを糖化するのが第1段階で、第2段階はそれを発酵させてエタノールを製造するそうだ。職員は3ヶ月に一回なのは、第1段階にかなり時間がかかっているのかと思った。第2段階は、たいした技術でもないだろう。昨年来、アメリカやブラジルでトウモロコシやサトウキビをエタノールにすぐ製造しているのは酒造メーカーならローテクなのだろう。大阪の廃木材をエタノールにする工場は見学できなかったので来たのであるが、その規模と企業秘密が何なのかも同行2人に研究させよう。この見学会でもう一つの団体は始終質問されていた。私もよくするが、それはふつうのことなのだと思った。私も、学生ももっと研究していかないといけない。
7) 高槻市森林資源加工センター 2008年1月22日(火)14時30分より15時30分
演習Uの学生3名と演習Tの学生3名が高槻市大字中畑の森林資源加工センターに14時10分に到着した。14時25分、職員の方に来意を告げると、そのあと、大阪府森林組合の沿革と植林、間伐材の利用の取り組みから、ペレット製造に至った経緯を説明してもらった。そのあとペレット製造工程を説明してもらった。最後に、我々の質問に答えてもらった。茨木市の森も管轄内であり、高槻市と違って植林をせず、昔のままであるということも教えていただいた。ボランティで下草刈りをする場合のやり方は教えていただけるそうであった。これを演習でやれるものか相談しなければならない。15時30分、視察は終った。
8)兵庫パルプ工業株式会社 2008年1月28日(月) 13時より15時
13時JR久下村から歩いて3分の兵庫パルプ工業株式会社に学生2名と到着した。総務部の方にこちらの活動と見学の趣旨を説明して、そのあと、会社設立とその後の発展を説明していただいた。内陸部に工場があるため、設立当時は、廃水処理などで、下流の農業関係者と紛争があったそうだ。そういう公害問題を真摯に解決しつつ、クラフトパルプを生産してこられた。パルプの原料として、廃材も処理されるそうである。とくに、阪神大震災のとき、廃材がでたが、ここで、パルプ原料として使用し、震災復興に貢献された。パルプにできない廃材チップを燃焼して発電に使うというのが、今回見学したい施設である。残念なことに、設備の点検中で、見学できなかった。しかし、平成16年完成のバイオマス発電設備の仕組みと売電について、質問を交えながら、説明していただいた。そばに加古川線が走っているので、原料は貨物で運んで来て、製品は貨車で発送するのが将来、省エネ的であるし、間伐材の資源は枯渇しないので、エコ・サイクルを実現できる会社だと感銘を受けた。
9)京都市廃食用油燃料化施設 2008年2月12日(火)14時より15時30分
14時、学生3名と施設内の3階において、職員の方に、まず、こちらの目的を説明した。その後、ビデオを見せていただき、1997年の京都議定書以前の京都市の環境対策と以後の取り組みからこの施設ができたことを知ることができた。その後、15時まで、職員の方が施設の概要とバイオ・ディーゼル油の精製工程について、技術的なことを含め説明していただいた。こちらも、疑問点を質問し、工程から出るグリセリンなども、ゴミ焼却施設で焼却処分されるそうだ。テレビでてんぷら油の自治会回収拠点が1000箇所を超え、回収量が増加しているそうだ。廃食用油を他の部門から回収するのは、他の回収業者と競合するそうである。バイオ・ディーゼル油は、市内を走るゴミ収集車と周辺を走る市バスに使用されている。あいとうエコプラザ菜の花館まで、走っている民間のバスより、乗り心地はよい。施設を通るゴミ収集車はてんぷら油のにおいがする。
15時から外に出て、30分間、ドラム缶にもちこまれたてんぷら油がバイオ・ディーゼル油に施設でどのように出来るか順に教えていただいた。精油装置は、コンパクトで、配管がかなり複雑であった。ランニング・コストは市職員の人件費が高いのと操業時間が市役所の勤務時間に設定されているので、民営化すれば下がるのは想像がつく。今回は、演習Tの学生だけだったが、この分野の取組みがよく理解できた。
2.4 工作の作成
今年度は、オルゴールをつくって、3年生と4年生に聞かせた。基板に回路をつくって
モデル例を少し改良した。しかし、スピーカーから聞こえるボリュームが小さかった。次はソーラーカーの模型を各班ではしらせ、レースをすることだ。これも準備は終わったので春学期やってみる。最後に、昨年度の卒業生が作った太陽熱調理器である。改良型で競わせて、いろいろ、提案実行させることをやってみる。
2.5 おわりに
今年度は、森林資源・水と廃食用油のエネルギーを利用し、炭酸ガス削減に貢献することを学習した。あと2箇所見学することになっているが、第4集で報告するだろう。今年度をもって、大学からの支援をいただいて、演習の学生と課題に取り組んできた。特色ある教育の理念にあうような活動が出来たことを感謝したい。これまでの成果を元に、今後もゼミでもっと統合モデルを考えていくように、発展させていきたい。
さて、茨木市でも実行可能なことはたくさんある。また、市民の支援があればそれらの事業も円滑に進み、議定書の今後の目標に寄与するだろう。学生に書いてもらう調査報告書第3集は、2008年5月には発行の目途をつけたい。
3.太陽光・太陽熱利用の調査
3.1 調査の地域
2006年9月および10月に、第一種中高層住居専用地域、市街化調整区域を調査し、2007年12月および2月に準工業地域を調査した。
商業地域の各建物のテナントにおいて、電力・ガス・その他の使用状況調査を学生に依頼したが、目視では困難であることが分かった。
3. 2
茨木市を第1集3節の基準にしたがって、第一種中高層住居専用地域、準工業地域および市街化調整区域を調査した。調査結果は、表1、表2および表3のようになる。第一種中高層住居専用地域では、将来、壁面や屋上に太陽光電池や温水器を設置できる可能性は高いが、普及率は0%である。準工業地域は、可能性率は商業地域より低いが、太陽光電池や温水器を設置している家もあった。工場等は、将来、屋上に太陽光電池、温水器を設置できる。最後に、調査した学生の感想から、市街化調整地域は、建蔽率50%以下であり、南向きの伝統家屋が多いので、今後、太陽光電池、温水器が最も期待できる地域であることが分かった。普及率が、太陽光電池4%、温水器5.4%なので、刺激策があれば、「器機の普及5%法則」によって、この地域の普及率は次の段階に進むと見られる。
|
表 1 |
|||||
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
南安威2丁目 |
95 |
0 |
24 |
119 |
2 |
|
総計 |
95 |
0 |
24 |
119 |
2 |
|
普及率(%) |
|
0 |
|
|
1.7 |
|
可能性率(%) |
79.8 |
|
|
|
100 |
|
表 2 |
|||||
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
中河原町 |
46 |
2 |
24 |
72 |
5 |
|
上郡1・2丁目 |
104 |
0 |
88 |
192 |
0 |
|
総計 |
150 |
2 |
112 |
264 |
5 |
|
普及率(%) |
|
0.75 |
|
|
1.9 |
|
可能性率(%) |
56.8 |
|
|
|
100 |
|
表 3 |
|||||
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
安威1・2丁目 |
259 |
14 |
78 |
351 |
19 |
|
総計 |
259 |
4 |
78 |
351 |
19 |
|
普及率(%) |
|
4 |
|
|
5.4 |
|
可能性率(%) |
73.8 |
|
|
|
100 |
(西村 和志)
4.ペレット製造
4.1 製造工程
1・搬入
↓
2・受け入れ
↓
3・一次破砕
↓
4・選別1
↓
5・選別2
↓
6・二次破砕
↓
![]() |
7・乾燥
![]() |
↓
↓
9・成形
↓
10・冷却
↓
11・袋詰・出荷
(長谷川雄士)
4.2 茨木市への導入
設置場所
茨木市の森林面積は2,808ヘクタール、林野率は36.7パーセントであり、気候の影響によりほとんどが暖帯林に属し、アカマツの天然林が多く、次いでクヌギ、コナラ等の広葉樹林が見られ、暖帯林本来のシイ、カシ林はわずかに存在する程度です。しかし、マツ林では松くい虫の被害が依然として存在し、解決すべき問題となっています。人工林については現在548ヘクタール、人工林率は21.2パーセントとなっています。木質ペレット製造施設を設置するとしたら山間部が適していると思われます。
導入可能か
· 「ペレットボイラーの導入」
· 課題
ペレットボイラーを日本の住宅様式に合わせる必要性(設置場所の確保(面積)、排気・吸気のFF方式化、メンテナンス、日本製の開発)、ペレット供給(生産量、産地の偏り)
評価
一般家庭へのペレットボイラーを導入するために必要な事柄を文献、ヒアリング、モニター設置を通じてマニュアル化することにより、法規制、導入手順、課題などが明らかとすることができたこと。
|
表.木質ペレット燃料の特性 |
|
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発熱量(下限) |
4.7 kWh/kg = 約4,000 kcal/kg |
|
灯油換算 |
ペレット:灯油 = 約2.1トン:1m3 |
|
体積重量 |
650 kg/m3 |
|
含水率 |
8〜13% |
|
灰分 |
心材:0.5%以下、樹皮:2.5%以上 |
ペレット燃料の特長は、他のバイオマス燃料に比べて非常に扱いやすいところです。形状・含水率が一定であるため自動運転装置に適しているので、発電用ボイラーでも家庭用のストーブでも、格段に手間がはぶけます。輸送に関しては、エネルギー密度が高く一度により多くのエネルギー量を運べるため、長距離輸送が可能です。また加熱処理されているためカビなどが生える心配が少なく、長期間の貯蔵もできます。
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表.ペレット燃料の長所と短所 |
||
|
長所 |
上質の燃料である(形状や含水率等の品質が安定している) |
|
|
乾燥しており貯蔵が容易である |
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|
環境基準に適合した燃焼が可能である |
|
|
|
自動燃焼に適している |
|
|
|
地域の再生可能な資源から造られる |
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|
チップよりもエネルギー密度が高いので、輸送や貯蔵に適している |
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|
|
エネルギー密度が高いので、エネルギー需要密度の高い地域まで運ぶことが可能 |
|
|
|
閉鎖系の再生可能エネルギーシステムに理想的である |
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|
|
小規模から大規模なエネルギーシステムにおいて経済的な代替選択肢となりうる |
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雇用を生み出す |
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短所 |
家庭においてはガスや石油、電力による暖房よりも労働集約的である |
|
|
燃料供給や輸送、燃焼に関して、ガスや石油、電力よりも信頼性が劣る |
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貯蔵時に石油の3倍の容積が必要 |
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|
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水気に弱い |
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1トンの乾燥された木材は1,000kWhの電力または4,500kWhの熱と同等のエネルギーを含有しています。ペレット化に必要なエネルギーの割合を対製品ペレットで示すと次の様になります。
(相馬 誠)
5.廃材発電
5.1 訪問記録(春日町舎)
私たちの班は、森林資源を利用したバイオマスエネルギーについて調べることにした。そこで兵庫県青垣町(現丹波市)に木材チップスを利用する計画があること知り、丹波市役所に電話でそのことについて尋ねたみたところ、2004年に氷上町、柏原町、春日町、青垣町、山南町、市島町が合併し丹波市が新設されたときに、青垣町の計画は凍結したというお話だったのですが、その計画書の資料が春日町舎にあることが分かりました。すぐに春日町舎に連絡を取り訪問することとなった。
そして私たちは、JR柏原駅に集合してから、資料をみせていただくために春日町舎に向かった。春日町舎では、産業経済部農林振興課の方からお話を伺い資料を見せて頂いた。しかし、私たちが、事前に見たバイオハンドブックにはその計画に掛かる費用の見積もりも載っており、かなり詳しい話を伺えると考えていましたが、実際は計画を立ち上げはしたがそのままの状態であったということであった。また、そのとき担当していただいた方は青垣町の計画には携わっていなっかたらしく、資料に載っていること以外は分からないということであった。 (小島一晃)
5.2 兵庫パルプ工業の訪問報告
1.はじめに
私達の班は兵庫パルプ工業を訪問しました。兵庫パルプ工業では、バイオマスエネルギーを利用しています。バイオマスエネルギーとは、太陽エネルギーを蓄えた生物体のことで、木質バイオマスとしては解体材、建築廃材、林地残材、製材工場の残廃材、パルプ工場の黒液と呼ばれる蒸解廃液があります。このバイオマスを燃料として発電することをバイオマス発電といい石油、石炭などの化石燃料を燃焼させる発電とは異なり、大気中の二酸化炭素を増加させないことが最大の特長です。
2.見学報告
兵庫パルプ工業は市販クラフトパルプメーカーとして、パルプ製造時に発生する黒液を有効利用することに注力していました。平成元年から5年にかけて3号ソーダ回収ボイラー及び3号タービン発電機を建設し、平成5年にはパルプ廃液燃料による余剰電力の本格的供給を我が国で初めて実現しました。4号バイオマス発電設備は、木質廃棄物と林地残材を有効利用することで環境負荷を軽減するだけでなく、地球温暖化防止に貢献できるとの思いで建設したものです。しかし設備費用を回収できるほどの利益が出ないのでボランティアだといっていました。今後バイオマスエネルギー普及させていくためには有効性を充分に吟味したうえで国が補助金を出しバイオマス発電が生み出す熱と電力の価値を高めることが大事だと思いました。 (木村真也)
訪問記録
私たちの班は、春日町舎の訪問以降はなかなか良い訪問先がなく課外活動のレポートが進まなかった。そんなときに春日町舎でのお話の中で、丹波市に実際に森林資源を利用したエネルギーを使っている企業があるという話を思い出した。そこで、また春日町舎に電話し、その企業を紹介して頂いた。その企業が兵庫パルプ工業株式会社である。
まず、私は電話で企業訪問させていただきたいことを伝え、また私たちの訪問理由を説明した。その結果、企業訪問の承諾を得ることができた。しかし、こちらと訪問先との都合がつかず、11月頃から連絡をとっていたのだが、年が明けても行けずにいた。私たちは、訪問を半分あきらめていたのだが、なんとか1月28日に訪問日が決定した。毎回、電話を頂いていた担当の方にはご迷惑をおかけしました。
1月28日に私たちはJR篠山口駅に集合、出発し谷川駅で加古川線に乗り換え久下村駅で下車した。その日はとても寒い一日でまだ雪が解けずに残っていた。また、駅に到着すると少しだが異臭がした。話には聞いていたので異臭がすることは知っていたので覚悟をしていたのだが、そこまでのものではなかった。そして私たちは兵庫パルプ工業株式会社へと向かった。
兵庫パルプ工業株式会社に到着し、私たちは、お二人の方にお話を伺った。まずは、総務部長さんから、兵庫パルプ工業株式会社の概要について聞いた。また、工場長さんにはタービンの技術面についてきいた。お話によるとタービンにかなりの費用が掛かっており採算は取れていないようである。また、灰の処理費にかなりの額が掛かることや、石油の高騰により材料の調達が難しくなるのではないかという不安もあるようで、不安材料がないわけではないようである。これらのことも含め、お話を聞く限りでは茨木市への導入は難しそうである。
また、お話を聞いた後には、松平さんに谷川駅まで送っていただきました。兵庫パルプ工業株式会社の方々にはとても親切にしていただきました。 (小島一晃)
4号バイオマス発電設備と概要
ボイラー 型式 気泡型流動床ボイラー
蒸気量 85t/h
蒸気圧力 10.30MPag
蒸気温度 505℃
タービン発電機 型式 単車室衝動式抽気復水タービン
発電力 18,000KW
燃料 主燃料 木屑 10万t/年
補助燃料 RPF 1万t/年
メーカー 三菱重工業(株)、三菱電機(株) 他
4号バイオマス発電設備
木屑サイロ

5.3 茨木市への導入
兵庫パルプ工業株式会社での話をふまえてバイオマスボイラーでのタービン発電機の茨木市への導入について考察していきたい。まず、設置場所についてだが、設置するのであれば郊外が望ましいであろう。そして、第一条件として木材の木屑などの資源を集めやすいことがある。しかし、茨木市には兵庫パルプ工業株式会社と同等の規模で木材を集められそうな企業はない。ですから企業ではなく、発電だけを目的として茨木市での導入は可能かどうかを仮定として考えていく。
最初に考えるのは、発電機を採用できるだけの燃料を集められるかである。兵庫パルプ工業株式会社では年間で木屑を10万d、RPF(Refute Plastic & Paper Fuel)を1万d使用している。この中の木屑はパルプ生産で使用する木材の廃材、間伐材、家屋の解体材である。これらは関西圏から幅広く集めているようである。また、RPFは、田舎では集まらないので、大阪などから集めているようである。では、茨木市では、発電機を採用できるだけの燃料を集められるだろうか。茨城市の森林面積は2,808fあるがこれらをすべて使うわけにはいかない。次に間伐材であるがこれは、災害が起こる必要があり、いつでも調達できるわけではない。また、間伐材を利用するまでにかなりの費用が掛かってくるのでこれにも期待はできない。そして、家屋の解体材である。茨木市には世帯数が112,822軒ある。しかし、最近では家屋の新築は少なく、リフォームをする傾向が多いので、これにも期待はできない。最後にRPFである。RPFは、兵庫パルプ工業株式会社では、木屑の1/10程度の使用度である。これは、兵庫パルプ工業株式会社はパルプ生産が本業であり、発電だけが目的でないからである。また、RPFの主原料は、古紙及びプラスティックであり、主に都会の方が調達しやすい燃料であることが兵庫パルプ工業株式会社での使用頻度の低さの理由ではないだろうか。しかし、茨木市では、発電目的だけとして考えるので、RPFは燃料として重要になると思う。そして、茨城市は比較的大阪市内に近いということもあり、RPFの調達は可能である。
このことから、導入可能であるか考える。まず、兵庫パルプ工業株式会社では、二つのタービン発電機がある。出力が18,000kWのものと、40,000kWのものであり、これだけのCO2の削減が実行されている。しかし、茨木市での調達できる燃料では、ここまでの規模のタービン発電機の設置は難しく感じる。茨木市で採用するにはこれよりも小規模になるであろう。ですが、兵庫パルプ工業株式会社でのお話を聞く限りでは、小規模のものになると、効率が落ちるという話である。また、灰の処分費のことを考えても、まだまだ導入するには問題点が多いのである。
しかし、兵庫パルプ工業株式会社の例を見ている限りではこの発電システムは優秀であるといえる。これは、本業がパルプ生産であり木材を扱う企業であったことや、立地条件から森林資源が集まりやすいことなどの好条件が重なった結果であると考えられる。このような好条件が重なっているにもかかわらず、経済的な問題がある。ですから茨木市への導入は現段階では難しいという結論になる。
しかしながら、この発電システムは優秀であり、このタービン発電機の出力で発電するCO2削減だけでなく、このタービン発電機の燃料である木材を使用することで、これに使用した同量の樹木を育成することによって、CO2の削減の手助けになるのである。また、若木はCO2の吸収率が良いのである。ですからこれからは、問題点が解決されていくことを期待している。 (小島一晃)
6.バイオ・ディーゼル
6.1 体験訪問の報告
私達は枯渇する化石燃料の代わりを探す事に興味を持ち、ゼミでのグループワークにて、バイオディーゼル燃料について調べることになりました。訪問先として私達は、2006年11月26日に滋賀県東近江氏にある菜の花館へ訪問しました。訪問先への経過は、JR茨木駅から近江八幡へ行きそこから近江鉄道に乗り換え、八日市駅にて下車し、タクシーとバスに別れ菜の花館へ行きました。しかし、事務所に問い合わせたところその日はあいにく施設は稼動しておらず、電源の入っていない装置を見学するに留まりました。これでは見学が足りないという事で翌2007年11月15日に再び菜の花館へ行く事になりました。今回は近江八幡駅にてレンタカーを借りる事になりました。何故なら今回は菜の花館へ行く前に実際に地域住民の方々から天ぷら油などの廃油をディーゼル燃料に変え販売している会社に立ち寄りたかったからです。アポ無しで行ったので社長からお話は伺えなかったですが従業員の方から少しお話を聞く事ができました。私は知りませんでしたが、リサイクルの観点からこの会社は非常に注目されていて見学ツアーが組まれるほどの注目度だそうでこの事業が注目されるのは素直に嬉しいし少しでも世の中に役立てていると思うと達成感や社会に対して貢献できていると感じるそうです。この会社で少し話を聞いた後私達は再び菜の花館へやってきました。また動いていないのではないか?と言う若干の不安はありましたが、今回はちゃんと稼動していました。菜の花館では各地域で集めた食用廃油をバイオディーゼル燃料へと交換できる装置があり、そこからできた燃料をトラクターや公用車に使い菜種を栽培します。そして収穫した菜種を乾燥させくん炭や石鹸へとリサイクルします。もちろん収穫された菜種油も各家庭で廃油になりまた菜の花館で燃料となります。このようなシステムの事を「あいとうリサイクルシステム」と呼びます。何故このようなシステムがあるのかというと・・・
あいとうリサイクルシステムの概要
沿革:昭和56年に「愛の田園(まち)あいとう消費生活学習グループ」が発足し、琵琶湖のせっけん運動に呼応して生活系から発生するごみの減量化、資源化にとりくみました。この活動が発展し昭和61年には、集落と団体、行政が協働で行う「あいとうリサイクルシステム」が確立。以来、今日まで回収品目を追加しながらリサイクルの推進を図っています。つまり、菜の花館での作業はこのシステムのうえで成り立っています。現在は毎月第2日曜日を「資源回収の日」に設定しています。各家庭で種類ごとに分別保管された後各集落の集積所(27カ所、集落単位で搬入)に集められ菜の花館へ持っていかれ、再資源化されます。
感想・・・私達にとって一つしかないかけがえのない地球を汚してしまったのは人間であり、環境破壊を食い止めるのもまた人間なので、破壊者か再生者どちらかを選のなら私達は当然再生者という立場を選びたい。なので、菜の花館には負けるけども環境のためにできる事を小さな事から始めたいと思いました。
茨木市への導入について
このシステムを導入するには、まず施設と土地と茨木市住民のモラルが必要です。土地
や施設を建設する事は容易でしょうが、住民が細かな分別をできるのかという所に疑問が
残ります。何故なら現在の茨木市のごみ分別は非常に大雑把だからです。ゴミ袋も市指定
ではなく透明なら良いのです。もし、住民に環境への理解があるのならシステムの導入は
十分可能と言えます。
(志田 祥吾)
6.2 装置の仕組み
あいとうエコプラザ「菜の花館」(滋賀県東近江)では、廃食用油を原料としたバイオディーゼル燃料の製造、および、もみ殻や木くずの炭化にくん炭・くん炭パレットの製造を行っている。バイオディーゼル燃料プラントでは、バイオディーゼル燃料製造の他に、菜種乾燥調整、菜種搾油、せっけん製造を行っている。
バイオディーゼル燃料の原料は、家庭や学校給食から発生する廃食用油であり、その一部は転作田(290ha)で菜の花が栽培され、そこから搾油される市販油である菜種油である。
バイオディゼル燃料の製油プロセス
(有限会社 エルフ http://www.biowacity.com/elf/の説明図)
沈殿 沈殿 沈殿 沈殿
分離 分離 分離 分離


表 あいとうエコプラザ「菜の花館」のバイオディーゼル燃料製造施設の概要
|
生産規模 |
処理能力 約200L / バッチ |
|
燃料化方式 |
メチルエステル変換 / 水洗いバッチ方式 |
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主要設備 |
反応層、一次タンク、二次タンク、貯留層、真空ポンプ、加熱ヒーター |
BDF精製フロー
捨てるか、燃やされていた廃食用油(使用済みてんぷら油)を集めてろ過し、原料タンクで水分や細かいごみを沈殿分解します。うわずみを装置の反応漕に100L投入し、メタノール18L解媒(水酸化カリウム)1.5kgを加え、約90分加熱攪拌するとグリセリンが分離され、植物油の粘度が約10分の1になります。さらに純度を高めるため、水で2回洗い脱水処理すると、軽油と同じように使用できる植物油燃料が出来ます。
廃食用油を原料とするため、ごみの減量化や化石資源の削減となり、地球温暖化防止にもつながります。世界各国では、バージンオイルで精製しバイオディーゼル燃料(BDF)と
呼ばれ広く使用されています。
製造コスト
(1) 廃食用油を原料として利用する場合
・ 製造コストはプラントの規模により72〜87円 / L(税抜き)程度となり、軽油価格(30円 / L)よりも大幅に高い。
・ 軽油の税抜き価格を大きく超え、税込み価格(80円 / L)に近い水準。
・ 現状での廃食用油からのBDF製造は、一般家庭からの回収については自治体や市民のボランティアに頼っており、この回収コスト内部化した場合には生産コストが上昇する。
(2) 国産菜種からの生産
・ 生産コストは500円 / L (税抜き) 程度となり、軽油価格よりも大幅に高い。
税制の問題
BDFはそれ単位には軽油引取税はかからないが、軽油と混合する時点で軽油引取(地方税)が加算される。この問題については、現在、滋賀県知事が廃食用油燃料を課税対象からはずすように国に要望している。又、今までは一般車両にBDFを給油する場合は、各都道府県へ事前申請承認が必要であるが、滋賀県では地域振興局税務課へ半年ごとに総括申請で対応できるようにした。
(杉本 隆浩 竹内 智弘)
6. 3 茨木市への導入、設置場所、導入可能か
茨木市への導入、設置場所
実際に使用する場合、バイオディーゼルの混合率が20%以下(B20)であれば、既存の車両の仕様変更や部品交換等を行う必要がなく、通常の燃料として問題なく使用することが可能である。B100の様な純度の高いバイオディーゼルを使用する場合、エンジン系統に使用されているゴム製部品に注意をする必要はあるが、それ以外は問題ない。逆に軽油に少量のバイオディーゼルを加えると、排気ガス中に含まれる有害物質の排出を大きく抑え、潤滑性を大きく向上させることができ(バイオディーゼルを1%加えると、潤滑性が65%向上する)、エンジンを滑らかに稼動させ、エンジンの寿命を延ばすとの報告も出ている。燃費においても、軽油と比べると若干劣るものの、ほぼ同等と考えられている。また、バイオディーゼルは生分解性が高く、「砂糖より生物分解されやすく、食卓塩より毒性が低い(全米バイオディーゼル協会)」と言われるほど、環境に対する影響の少ない燃料といわれている。
これらの理由から、米国やヨーロッパでは市場が急成長しており、中には、バイオディーゼルを自宅の倉庫で趣味として製造して利用されている人もおり、BDF製造用や取り扱い用のマニュアル本も発売されている。ということから茨木市への導入は、可能であり、設置場所も問題ない。
実例
京都市では、実際に1997年からバイオディーゼル燃料を市内のゴミ収集車に利用するとともに、家庭からの廃食用油の回収システムの構築にも着手、現在、市内約800拠点において年間約12万リットルの回収が実現している。
また、2000年4月からは一部の市バス約80台の燃料(20%混合)としての使用を開始し、年間約150万リットルのバイオディーゼル燃料を使用することにより、同量の軽油の使用により発生する年間推定約4000トンの二酸化炭素排出削減に成功した。
さらに2004年6月からは、京都市南部クリーンセンターで日量5000リットルの日本最大級のバイオディーゼル製造プラントが稼働している。
さらに京都市では、バイオディーゼル燃料のより一層の普及のため、品質が規格化されている欧米にならい、日本ではまだ規格化されていなかった空白を埋めるべく、学術経験者などの協力を得て、暫定基準(京都スタンダード)の制定に乗り出した。
このように、茨木市の導入、普及には地方自治体が中心となって基準づくりに乗り出すことが必要となる。
CO2削減効果
CO2の削減効果を表すと、バイオディーゼル燃料を使用したときに発生するCO2は、植物油の原料である菜種や大豆の植物が成長過程において光合成により吸収したCO2が考慮されるため(カーボンニュートラル)、ライフサイクルで見るとCO2を増加させておらず、新たな発生量としてカウントされない。つまり、実質ゼロカウントとなり、CO2の抑制効果につながる。植物は光合成でCO2を吸収しているため、燃焼により生じるCO2とプラスマイナス・ゼロと算出することができる。つまり、 CO2の吸収・排出が循環している為、カーボン(=炭素)ニュートラル(=中性)である。
例えば1日100リットルのバイオディーゼルを使用した場合のCO2の削減量は、軽油を使用した場合のCO2排出量1リットル当たり2.64kg(軽油 2.64kg-CO2 /L)よりバイオディーゼル年間使用量:100L×365日=36,500L CO2削減量:2.64kg×36,500L=96,360kg- CO2 =96t- CO2つまり年間96tの削減になる。 (新宅 勇樹)
7. マイクロ水力発電
7. 1 滋賀県比良山系におけるマイクロ水力発電設備
滋賀県比良山系において、「びわこ成蹊スポーツ大学」と「滋賀の自然を生かす会」がマイクロ水力発電に利用している設備は1台20万円程度で設置でき、ポンプによって汲み上げた水で水車を回し、その水力によってモーターを回転させて発電するものである。これは、ダムなどを必要としなく、また、地球環境に影響を与えずに再生可能な自然エネルギー源であり、水車を使った水力発電設備は今後増えていき、新しい新市場が形成されていくとされている。このシステムでは、水が流れ落ちる場所が高いほど、また、水の量が多いほど発電電力は大きくなる。水力発電は発電規模によって分類される。100MW以上を大水力発電、100MW〜10MWを中水力発電、10MW〜1MWを小水力発電、1MW〜100KWをミニ水力発電、そして100KW未満の発電規模のものをマイクロ水力発電と呼ぶ。マイクロ水力発電の特徴は、ダムや大規模な水源を必要としなく、小さな水源で比較的簡単な工事で発電が出来ることにある。このため、家庭でのマイクロ発電や電気のない山間地での発電も可能であり、マイクロ水力発電の未開発地は多く有る。しかし、デメリットとしては、法的整備が行われておらず設置に手間がかかることや採算性の問題。また、落ち葉やゴミなどが流入するため整備が欠かせなく、増水時の調整も必要である。電力会社は1kwhあたり、約8円で購入する。1kwあたりで年間6万円ほど稼げる。発電出力は、重力加速度×水の密度(9.8)×落差(m)×流量(m3s)×効率で表される。これによると、比良山系の発電出力は、9.8×200×0.08×0.65=101.92ほどになるとされている。
メリット
デメリット
7.2 滋賀県比良山系におけるマイクロ水力発電設備
小屋の内部 四角の箱に水車がある ![]()
(今堀雄太)
7.3 比良山系マイクロ水力発電のCO2削減量について
比良山系マイクロ水力発電の発電出力は
発電出力(kW)=重力加速度(9.8)×流量 (m3/s)×有効段差(m)
×水車効率×発電機効率
=9.8×0.004×45×0.8×0.8=1.129 kWh
で約1.13 kWhの発電能力がある。
年間発電電力の計算式は、
年間発電電力量(kW)=発電出力(kW)×24(時間)×365(日数)
×設備利用率(%)/100
である。
「設備利用率」とは、1日24時間、年間365日、最大出力で休みなく運転をしたと仮定した発電量に対して、実際の年間発電量の割合を示すものである。したがって、水量が減った場合、点検や故障で停止した場合などは、発電出力が減少するが、ここでは、仮定した電力量を発電できたものとする。
年間発電電力量(kW) =1.13×24×365×100÷100=9898・8 kWh
となる。
年間のCO2削減量の計算式は
年間のCO2削減量(kg)=年間発電電力量(kWh)×CO2排出係数(kgCO2/kWh)
年間のCO2削減量(kg)=9898.8×0.555=5493.834
したがって、約5.5tのCO2が削減される。
※排出係数の値は、発表している団体で大きく異なるため、環境省関連/地球温暖化対策推進に関する法律施行令三条(H18年3月24日)の値0.555を使用している。
(中澤 健太)
8.風力発電
8.1 体験訪問の報告
2007年1月冬休みを終え、一週間ほどが過ぎたころ、私は三重県の山中部にある、青山高原という場所の風力発電施設に行ってきた。風力ということもあり、当日の天候を懸念していましたが、曇りのち晴れ。近鉄大阪線榊原温泉口を下車。そこで、教授と落ち合い、タクシーにてその発電所まで向かった。軽く30分以上はあったと思う。2007年度は暖冬ということもあったが、道中側道にはちらほらと雪が積もっていた。青山高原について少し説明をしておく。
笠取山[かさとりやま]の南斜面に広がる高原で、主に秋にはツツジとススキのころが美しい。標高756mの三角点付近は伊勢湾や大和の山々を見渡す展望台なども整備されている。
現に私たちが向かったところは風力発電施設のほかに、展望台も見受けられた。そして、風力発電施設だが、無人の施設でおおよそ25其弱ほどの風車が設置されていた。現にこの風車で三重の人たちの電力を賄えるほどと聞いた時は、正直驚いた。だが、現に標高756mほどの高原には相当の風が吹いており、寒さもかなりのものであった。目の前の巨大な風車を目にしたとき、そして、三重県の電力を賄っていると伺ったときにそう思ったが、これからエネルギー不足が叫ばれる昨今に、可能性を感じた。
8.2 装置の仕組み
装置の説明をしていく。
発電規模 … 最大出力…15,000kW
風力発電機 … 750kW×20基
JFEエンジニアリング製 多極同期発電機
ローター直径…50.5m
タワー高さ…50m
送電線 … 77kV特別高圧線…約5.8km
風車断面図

このような装置の風車だが実際には設置に至るまではなかなか問題点も多いのだまずその肝心の風力だが、年間平均風速が約7.6m/s必要としている。そして、周囲に居住区がないこと、近くに特別高圧線があること、アクセス道路があり、自然公園法、森林法の許認可取得など、設置に至るまでは、なかなかハードルが高い。なので、日本全体を風力発電を推進するということは問題が多すぎる。日本は山がちの国土であるため風の乱流成分が大きく、さらに九州・沖縄では頻繁に台風が襲来するなど、風車の受けるストレスが大きい点があげられる。また、風況の良い地域の人口密度は一般に小さく、電力系統も弱い地域が多いため、離島も含めて系統へ与えるインパクトを極力抑える必要があるなど、大型風車が進んでいる欧米とは相当に異なる環境に置かれている。
さらには、現実的な問題もある。資金調達の問題だ。まず、開発段階ではそのプロジェクトの実行可能性についての調査業務が主であるため、必要となる資金は少額ではあるが、事業的にはいわゆる「ハイリスクハイリターン」であることから、この段階では金融機関からの融資が行われることは、まず考えられない。よって、自己資本すなわち自己のリスクにおいて進めることが必要となる。
一方、プロジェクトが進展し建設段階になると、建設に莫大な資金が必要となるため、多くの場合金融機関からの融資による資金調達を行うことになってくる。
しかし、日本における風力発電事業は、本格的に開始されてからまだわずかな期間しか経ておらず、事業リスク評価(例:風況、機械トラブル等)を行う際の実例が十分でないことから、評価が風力発電事業に対してきびしめにならざるを得ないという背景があると考えられている。
8.3 茨木市への導入について
前節の検証の結果、茨木市においての風力発電の導入を検討してみると、やはりさすがに難しいのが実情である。
仮に、設置するとしたならば、まず候補に挙がるのはそれだけの土地が必要となってくるため、茨木カントリークラブなど、茨木市においても北部の山間部でしかまず作るしかない。しかし、実際にはこの茨木市の年間平均風速をとってみても、7.6m/sは上回っておらず、この時点でハイリスクノーリターンなわけである。
その従来の3枚ブレードプロペラ型風車の導入は難しいかもしれないが、マイクロ風車という、出力規模が1kW未満のごく小さな風車ならば設置は可能である。そのため発電電力量はわずかではあるが、山間部などの村落など系統電源が届かない場所では、たとえマイクロといえど、実用発電装置としての役割を十分に果たしており、貴重な電源となっている。
実際に、このマイクロ風車は、毎秒4メートル程度の風がないと勢いよく回らなかったが、最近の風車は毎秒2.5メートルの風が吹けば発電は可能になり、現実味を増してきている。このマイクロ風車は、大阪市でも導入されており、大阪心斎橋のソニータワー屋上に、風車が設置されており、入口付近でその発電量も表示している。
以上のことからこの、茨木市で風車を設置することは、不可能ともいえるが、また別の側面から考えると可能である。日本において、風力発電がまだまだ普及していないことを考えると、他の諸外国のようにCO2排出量削減など、地球環境に配慮した、新エネルギーの導入を急がねばならない実情にあることもまた事実であるといえる。
(加茂良太)
参考文献
牛山 泉『風力発電マニュアル』エネルギーフォーラム、2005。
牛山 泉『風力エネルギーの基礎知識』オーム社。
牛山 泉『風力エネルギー読本』オーム社。
青山高原ウインドファームホームページhttp://www.awf.co.jp/
9.茨木市での再生可能エネルギー統合モデル
9.1 資源の推計
第1集から第3集まで、都市計画法にもとづく、土地の用途別分類にしたがって、太陽光発電と太陽熱温水器の設置状況と可能性を調査した。第2集においては、既存の化石燃料を利用する電気・ガス利用の民生用機器の省エネ性を、第3集においては、再生可能エネルギーについて、エネルギーを実際利用している事例を調査した。再生可能エネルギーは、自然エネルギーおよび廃棄物利用エネルギーに分類できる。後者は、公共部門で、公的資金を投入し処理される廃棄物をエネルギー化するものである。
以下、各行政地域において再生可能エネルギー資源がどのくらいあるのか、この2つのエネルギー資源別に推計する方法を、第1集から第3集までで調べた事例から、まとめた。
1) 自然エネルギー資源の推計
@ 太陽光発電および太陽熱温水器は、建物の方向(南向き)と設置面積が、発電量および熱量を決める。行政区域において、それらのデータを収集することは可能である。
精度は落ちるが、国勢調査報告を利用すれば、「住宅の建て方別一般世帯数等(住宅に住む世帯)から、一戸建、長屋建、共同住宅およびその他の分類の世帯数と世帯人員がわかる。たとえば、平成17年10月1日現在の茨木市におけるデータは次のようであった。
住宅の区分 総数 一戸建 長屋建 共同住宅 その他
102,780 38,360 4,207 60,122 91
世帯人員 260,457 114,017 10,262 135,964 75
一戸建と長屋建は、これまでの推計法が可能である。共同住宅では、屋上および壁面に設置可能である。
A 水力は、マイクロ水力発電の利用可能な河川があるかどうかである。茨木市では、安威川、下音羽川、佐保川などで、利用可能である。出力は500W〜1kW程度であろう。本稿の例のように、設置費用は比較的かからない。農林業の作業用電源として有効である。ため池や水道の貯水池は、利用可能であり、出力は、マイクロ水力発電よりはるかに大きいであろう。しかし、水量と落差のデータは、発電量を推計するために必要である。経年的に連続した水量の観測をしなければならない。
B 風力は、茨木市の風速のデータはない。北部の隣接する能勢町のデータが気象庁にある。2008年では、平均風速と最大風速は下のようであった。
第3集8によれば、大型風車を設置するには、年間平均風速が約7.6m/s必要とある。2008年の年平均風速は約1.0m/sである。これも、茨木市では、マイクロ風力発電の可能性しかないようである。
月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
平均風速 0.8 0.9 1.2 1.4 1.3 1.0 1.1 1.2 0.8 0.6 0.8 0.8 m/s
最大 5 7 7 7 7 7 6 6 5 5 7 7 m/s
C 木材(森林管理資源)茨木市の森林資源は、そのホームページから、下のようである。
森林資源面積 (単位・ha) |
|
|
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|
|
|
|
|
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|
年 |
計 |
森 林 面 積 |
竹林・その他 |
|
|
人 工 林 |
天 然 林 |
|||
|
平成14 年 |
2,808 |
541 |
2,040 |
227 |
|
15 年 |
2,808 |
543 |
2,038 |
227 |
|
16 年 |
2,808 |
548 |
2,033 |
227 |
|
17 年 |
2,801 |
546 |
2,029 |
227 |
|
18 年 |
2,802 |
546 |
2,029 |
227 |
平成14年から面積はほとんど変化がない。人工林の間伐や手入れででるバイオマス量によって、CO2削減量が計算できる。茨木市の場合、人工林が約19.5%である。今後、植林が増加する見込みはない。したがって、人工林546haと竹林・その他の森林227haの手入れで排出されるバイオマス量が期待される。高槻森林資源加工センターに持ちこむことにより、ペレットに加工できる。茨木市の中山間地におけるストーブ、温水あるいは発電に利用できる。
2) 廃棄物エネルギー資源の推計
@ 廃棄物は、家庭用の生ごみ、糞尿、下水道水があり、市は、公共サービスとして、収集する義務がある。家庭の食品廃棄物がある。廃棄物からバイオガスを発生させ、発電やボイラーのエネルギー源として使用することができる。茨木市の平成19年版統計書から、これらの公共的資源量は、以下の表のように集計されている。これらの資源をもとに、第2集の八木バイオエコロジーセンターのような施設を設置すれば、ゴミ収集車・糞尿収集車の効率運用ができそうである。もちろん、大規模ごみ処理施設や下水処理施設でのメタン・ガスを収集することにより、そのエネルギーを利用することができる。
|
ごみ収集・処理状況 |
|
|
|
(単位:トン) |
||||
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年 度 |
世 帯 数 |
市 収 集 |
許可業者 |
その他 |
総 量 |
|||
|
普 通・ |
資源ごみ |
計 |
及 び |
|||||
|
粗大ごみ |
自家搬入 |
|||||||
|
平 成 |
14年度 |
1,242,178 |
68,534 |
2,393 |
70,927 |
58,947 |
1,558 |
131,432 |
|
|
15年度 |
1,270,982 |
69,898 |
2,410 |
72,308 |
61,267 |
841 |
134,416 |
|
|
16年度 |
1,275,443 |
67,940 |
2,404 |
70,344 |
61,115 |
1,070 |
132,529 |
|
|
17年度 |
1,308,591 |
66,124 |
2,430 |
68,554 |
60,768 |
1,162 |
130,484 |
|
|
18年度 |
1,326,330 |
66,252 |
2,549 |
68,801 |
57,833 |
553 |
127,187 |
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し尿収集・処理状況 |
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(単位:トン) |
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年 度 |
市 収 集 |
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処 理 |
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世 帯 数 |
量 |
総 量 |
し 尿 |
浄化槽汚泥 |
脱水汚泥 |
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平 成 |
14年度 |
49,634 |
10,827 |
14,824 |
10,827 |
3,461 |
536 |
|
|
15年度 |
46,854 |
10,952 |
14,879 |
10,952 |
3,388 |
539 |
|
|
16年度 |
41,738 |
9,869 |
13,439 |
9,869 |
3,037 |
533 |
|
|
17年度 |
39,110 |
9,299 |
12,275 |
9,299 |
2,474 |
502 |
|
|
18年度 |
33,234 |
8,942 |
11,642 |
8,942 |
2,212 |
488 |
A 廃食用油
菜の花館のように、市内の家庭から排出されるてんぷら油を回収し、エルフの簡易製造法でバイオ・ディゼル油を製造することができる。市民一人当たり年間1ℓ排出するとすれば、国勢調査平成17年10月1日現在で、世帯人員は260,457人であるから、年間廃食用油は、260,457ℓである。ほかにも、業務用廃食用油がある。最近は、専門業者が回収する傾向がある。したがって、住民による回収ネットをつくれば、最大260,457ℓがバイオ・ディゼル油に精製できる。
B 廃材や庭木・街路樹の剪定物
毎年、木造住宅等の建て替え等による廃材や庭木・街路樹の剪定物が排出される。これらも、廃材は、兵庫パルプ工業株式会社のように、発電、ボイラーに利用できる。庭木・街路樹の剪定物は、木質部はエタノールあるいは、ペレットに加工できる。それぞれ、予想推計量は計算できるであろう。
9.2 資源のエネルギー換算とkg-C削減換算
1) 自然エネルギー換算とkg-C削減換算
自然エネルギーは、二酸化炭素の排出はゼロである。以下、発生された自然エネルギーを電力換算し、「環境省/地球温暖化対策推進に関する法律施行令第三条、一、ロ総排出量算定期間において使用された他人から供給された電気の量(キロワット時で表した量をいう。)に、当該電気の一キロワット時あたりの使用に伴い排出されるキログラムで表した二酸化炭素の量として、〇・五五五を乗じて得られる量」をkg-C削減量と定義する。
@ 太陽光および太陽熱(茨木市)
太陽光のCO2削減量は、調査報告集第1集より、3kWのパネルで551.3kg‐Cである。240ℓの集熱器を使用すれば、太陽熱のCO2削減量は、711.48kg‐Cである。したがって、茨木市における太陽光のCO2削減量および太陽熱のCO2削減量の算出式は
太陽光 戸数×551.3kg‐C
太陽熱 戸数×711.48kg‐C
となる。この場合は、第1集の換算式にしたがった。
A 水力(びわ湖バレー)
発電出力は、7.2節によると、
発電出力(kW)=重力加速度(9.8)×流量(m3/s)×有効段差(m)
である。年間発電量は、
年間発電量(kW)=発電出力(kW)×24(時間)×365(日)×設備利用率(%)/100
である。年間のCO2削減量の算出式は、
年間のCO2削減量(kg-C)=年間発電電力量(kWh)×CO2排出係数(kg-C/kWh)
=年間発電電力量(kWh)×0.555
である。
B 風力(青山高原)
青山高原の風車の発電出力は750 kWである。年間発電電力量(kWh)実績が分かれば、年間のCO2削減量の算出式は、
年間のCO2削減量(kg-C)=年間発電電力量(kWh)×CO2排出係数(kg-C/kWh)
=年間発電電力量(kWh)×0.555
である。
C ペレット(大阪府森林組合高槻支部)
木質ペレット燃料の特性から、
4.7kWh/s = 約4,000kcal/s
である。大阪府森林組合高槻支部では、年1,500tの生産能力があるが、実績は、年600t
である。年間のCO2削減量の算出式は、
年間のCO2削減量(kg-C)=年間発電電力量(kWh)×CO2排出係数(kg-C/kWh)
=年間発電電力量(kWh)×0.555
である。
2) 廃棄物エネルギー換算とkg-C削減換算
@ バイオガス(八木)
第2集より、資源量は、27,596tであり、それからの年間実績発電量は、1,344,689kWhである。エネルギー変換係数は、1,344,689/27,596(kWh/t)=48.7である。年間のCO2削減量の算出式は、
年間のCO2削減量(kg-C)=資源量×エネルギー変換係数×0.555
A バイオ・ディゼル(菜の花館)
9.3 再生可能エネルギー統合モデル
茨木市のCO2削減量とその設置費用、運転費用を考える。これによって、資源の推計から、現在の技術水準によって、最大削減可能量が推計できる。後は、茨木市民がどの技術選択を採択するのかは、茨木市の環境政策による。
再生可能エネルギーの第i資源の年間資源量をRi とし、そのエネルギー変換係数をEi とし、CO2排出係数をDi とすると次の関係式から、CO2削減量は
CO2削減量=年間資源量 × エネルギー変換係数 × CO2排出係数
すなわち
Ci = Ri × Ei × Di
である。
再生可能エネルギーのkg-C換算
茨木市の場合、各データは次のようである。表1、表2、表3である。
表9.1
Ri Ei Di Ci
太陽光 102,780 551.3kg‐C
太陽熱 102,780 711.48kg‐C
水力 x 0.5 0.555
風力 x 0.555
ペレット 600,000 4.7 0.555
バイオガス 31,240 48.7 0.555
バイオ・ディゼル 260,457 2.64 kg‐C
CO2削減量はC=i=1Ci となる。
参考文献
K. Nishimura,“Environmental Decision-Making under Direct Democracy in a Mixed Economy,” Otemon Economic Studies, 34,2002, pp. 1-7.
10.おわりに
茨木市において、再生化可能エネルギーの統合モデルで、削減量を計算するとともに、それだけで、化石燃料を使用しても、相殺されることが示された。家計部門以外でも、再生可能エネルギーを利用すると、将来的に、茨木市は炭酸ガス・フリー地域になる。大阪府の各市において、同じ将来があるかどうかは、今後の研究課題である。いわゆる、商工業化され過ぎた市たとえば大阪市では、再生可能エネルギー資源は少ないであろう。その分、将来的に、環境税や化石燃料の枯渇による経済的負担が上昇する。第3集で、2005年からの西村ゼミの研究目的は、ほぼ達成された。
今後は、大阪府下における、各自治体の資源量を推計する。
調査を担当し、報告書を作成した西村ゼミ生
04回生および03回生
今堀 雄太 大石 真輝 大野 達識 沖田 雄介 小島 一晃 志田 祥吾
新宅 勇樹 杉本 隆浩 竹内 智弘 中澤 健太 大野 耕司 相馬 誠
長谷川雄士 若松 伸一 木村 真也 長澤 輝 加茂 良太 森 正光
追手門学院大学 2006年および2007年度特色ある教育プロジェクト
大阪府茨木市における再生可能うエネルギーの推計
調査報告書 第3集
編著者 西村 和志
発行日 2009年2月25日
発行責任者 西村和志
印刷所 追手門学院大学 印刷室