追手門学院大学 2005年度および2006年度特色ある教育プロジェクト
および再生可能エネルギーの推計
調査報告書 第2集
追手門学院大学 経済学部経済学科
西村和志および西村ゼミ03回生・01回生
2007年6月25日発行
およびの再生可能エネルギーの推計
調査報告書 第2集
目 次
1.はじめに
2.「
2005年度『特色ある教育報告書』追手門学院大学、2006年3月
2.1. はじめに
2.2. 実地調査の実施経過
2.3. 多様なエネルギー活用の見学
2.4. 省エネ機器製作企業訪問
2.5. 太陽光電池を使った工作
2.6. 推計結果の報告書作成(演習II)
3.太陽光発電・太陽熱調査地域の選択
3.1 調査地域の選択基準
3.2 調査地域の町名と位置
3.3 住宅の評価基準
4.太陽光発電・太陽熱調査地域の調査結果
5.バイオ班研究報告
5.1 訪問先の体験
5.2 施設の概要
5.3 研究課題
5.4 京都議定書の目標を達成できるか
5.5 おわりに
6.小型水力班研究報告
6.1 訪問先の体験
6.2 「リッター水力発電」の紹介
6.3 マイクロ水力発電設備を設置する場合の河川法
6.4.1 安威ダムの例
6.4.2 茨木市の水力発電可能性
6.5 小型水力発電による年間CO2削減量
7.ダイキン工業の訪問報告
7.1 はじめに
7.2 ダイキン製品説明からの感想
7.3 エコキュートとシステムの紹介
7.4 ランニングコストの比較
7.5 CO2削減量推計
7.6 おわりに
8.エコウィル班研究報告
8.1 はじめに
8.2 訪問先での体験
8.3 エコウィルとシステムの紹介
8.4 年間省エネ効果
8.5 「ECOWILL」×SOLAR」とは・・・
8.6 おわりに
9.ガス・コージュネ班研究報告
9.1 ヤンマーエネルギーシステム株式会社での体験
9.2 コージェネレーションシステムとガスヒートポンプエアコン
9.3 CP5VB導入によるCO2排出量削減試算
9.4 結論
1.はじめに
本調査報告書は、西村ゼミの2005年度3年生が、2005年度・2006年度、2年間にわたって、1.茨木市における太陽光発電および太陽熱の推計、2.環境対策をリードする自治体・企業の訪問、3.茨木市に環境対策機器を導入する場合の問題点および4.CO2排出量の削減目標を達成できるかを報告しています。
第2節は、このプロジェクトが、文部科学省および追手門学院大学の助成金によって、実施されましたので、[西村和志「茨木市における太陽光発電/太陽熱の推計および県境対策機器の評価について」2005年度『特色ある教育報告書』追手門学院大学、2006年3月]から、西村ゼミの03回生・01回生の取り組みを報告します。
第3節および第4節は、2005年度と2006年度にわたって、西村ゼミの03回生・01回生と04回生・03回生の学生が、2006年度調査報告書第1集を引き続き、茨木市における太陽光発電および太陽熱の推計を地域拡大して実地調査し、その調査結果を報告します。 第5節から第9節は、各班が2005年度に環境対策をリードする自治体・企業を訪問し、環境対策機器の説明を受けた体験記、2006年度に各班が茨木市にそれらの環境対策機器を導入する場合の問題点をさらに研究し、班によっては、京都議定書のCO2排出量の削減目標が達成できるか試算した結果を報告します。
2.「茨木市における太陽光発電・太陽熱の推計および環境対策機器の評価について」
2005年度『特色ある教育報告書』追手門学院大学、2006年3月
西 村 和 志(経済学部経済学科)
2.1. はじめに
西村ゼミの演習Tと演習Uの学生は、2004年度に引き続き、茨木市における太陽光発電および太陽熱の推計を地域拡大して実地調査しました。2005年度の新規の計画は環境対策をリードする自治体・企業訪問し、環境対策機器の評価を考えることです。さらに、学生たちに、太陽電池等を用いた工作をさせどんな性能を持つものか体験させることにしました。最後に、2004年度の調査を資料にまとめるとき、問題点をさらに研究し、研究報告書を作成することにしました。2005年度の実施計画は次のとおりです。
・ 演習Iは、茨木市における太陽光発電および太陽熱利用の推計について、今年度は用途地域で、住居系7種類のうち、残りの5種類の実地調査をして、発電量の推計をする。
・ 太陽光発電の利用方法について、昨年度、資料を収集したので、それらを参考に、太陽光発電の実用例をグループで作成し、太陽光セルの性質を実感する。
・ 演習IIは、用途地域における住居系7種類の法規制、日射量の実測値を得ることおよび発電量・発熱量推計式を検討することを中心に研究報告をまとめる。
・ 2005年愛・地球博のNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)パビリオン見学。
・ 再生可能エネルギーを活用、事業を促進する自治体を訪問して、環境対策に対する取り組みを教えてもらう。
・ 家屋内のエネルギー利用に対する省エネ機器製作の企業を訪問する。
以下は、計画に従って実施した経過と成果を報告します。
2.2. 実地調査の実施経過
5月、2004年度の演習での取り組みを新3回生20名に説明し、(株)京セラのプレゼンテーション資料を演習室の液晶テレビで解説しつつ見せました。そして、2005年度の計画を周知させました。調査班を5班結成し、6月から実地調査に入りましたが、今年度は、第一種低層住居専用地域の未調査地域をテストに調査しました。実地調査の調査用紙は、集計用紙を新たに作成し集計と感想を書いてもらうようにしました。今年度は、茨木市の用途地域を拡大し、すべての住居系地域で調査し、各住居系での違いを検証することです。このために、茨木市の都市計画課において、建蔽率、容積率など各種規制値の確認をさせました。
第1回 第一種住居専用地域 6月18日13時〜17時 および6月29日
4回生が昨年調査した茨木市の第一種低層住居専用地域の未調査地域は、白川町、大同町、鮎川町、花園町、太田町、高田町、室山町、西福井町です。各戸数は少ないのですが、地域が散らばっています。最初に10名で、残りは1名に後日行ってもらいました。これで、昨年来の実地調査は終わりました。なかなか慣れない仕事は班によって終了時間に差がありました。
第2回 その他の住居地域 9月20日 10時〜13時および10月6日〜11日
建築基準法にもとづく住居系用途地域は、第一種低層住居専用地域以外に、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域および準住居地域の5地域があります。今年度は、この地域の太陽光発電および太陽熱利用の推計を実地調査することにしました。11名で、小川町、新中条町、東中条町、新庄町、舟木町、稲葉町主原町、末広町、中津町、寺田町を調査しました。これらの地域は阪急茨木市駅の周辺で調査の利便性はありますが、中高層ビルもあります。学生は設置数が少ないと報告しています。
2.3. 多様なエネルギー活用の見学
ゼミ旅行を2005年愛・地球博の見学とし、NEDOパビリオンと新エネルギープラント見学をするように学生に指示しました。分譲住宅地がすべて太陽光電池設置し、電気給湯器とガス給湯器の新製品が設置されている町を訪ねました。次に畜産し尿からメタンガス発生させ、事業を促進する自治体を訪問して、環境対策に対する取り組みを教えてもらうことにしました。最後に、「太陽光の町」でみた電気給湯器とガス給湯器の新製品エコキュートおよびエコウィルを詳しく知ることにしました。
1)ゼミ旅行、愛知万国博覧会見学 2005年7月29日
毎年、3回生のゼミではゼミ旅行を実施しています。最近の学生気質かわかりませんが旅行に参加する学生は5〜6人です。2005年は万国博覧会が愛知県で開催され、参加者が多いいことを期待しましたが、3回生は4名でした。目的の1つにNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)パビリオン見学とNEDO連携・新エネルギープラント見学をするように学生に指示しましたが、パビリオン見学は2名が達成し、プラント見学は予約できず陸橋の上から見学ツアーがプラントを順に動くのを見ました。
2)太陽光の町見学 2005年8月1日 13時より15時
学生10名と、関西国際空港前のりんくうタウンのはずれにある大阪府田尻町「太陽光発電の町」を見学しました。ここは、民間開発業者が全戸太陽光発電をできる住宅を分譲しており、第1期分譲はほぼおわり、第2期工事に入っていました。確かに、各戸の屋根に太陽光電池が搭載、関西電力のエコキュートかまたは大阪ガスのエコウィルが設置してあり、売電電力計が付いていました。エコウィルの設備がちょうどある1軒に設置される状態になっているのを見ることができました。ただ、屋根が東西向きになっていて現場ではこれでも有効なのかと思いました。いずれにせよ、全戸太陽光発電をできる住宅団地というのはこうなるのかと感心しました。学生たちもそれぞれ実地調査をしているので茨木市と比較した感想が多かった。また、エコキュートおよびエコウィルという設備はどういう仕組みなのか興味をもったようです。
3)八木バイオエネルギーセンター訪問 2005年11月16日13時30分〜15時15分
学生3名と、京都府八木町八木バイオエコロジーセンターにおいて、所長さんから14時40分頃まで、施設の紹介と運転上の問題点を説明していただき、学生の質問に答えていただいた。そのあと、施設の各設備をシステムの流れに沿って実際に見学をした。このシステムは、周辺で酪農家や養豚業者に相当量の家畜排泄物等があり、それを有料処理しつつ、メタンガスを発生させ、ガス発電機3台を運転し、発生する熱と電気で、固形物を堆肥に、廃液を下水処理して近くの川に排出するシステムです。パイロット的なシステムなので、さまざまな問題点があり、特に24時間運転なのでガス発電機の消耗が激しく、製造する堆肥の品質はいいが、価格が市販の堆肥より高い、さらに、廃液処理費がかかるというのが問題ということでした。現場は堆肥場がシステムの反対側にあり堆肥臭がひどく、このセンターを運営するのは労働環境もかなりきついものがあります。事業自体はとても意義深いと思いました。参加した学生は、いただいた資料、ホームページその他の資料をもとに、報告書を作成するよう指導することにしました。
4)大阪ガス生活館見学 2005年11月17日12時〜13時
吹田市千里万博公園内の大阪ガス生活誕生館に入館し、学生7名とともに、12時から40分間、案内係の指示に従い、館内の展示物等の説明を受けた。そのあと館内の会議室においてコンサルティングリーダーの方から、大阪ガスのエコウィルについて、さらに詳しく説明をしていただき、学生の質問に対して詳しく答えていただきました。エコウィルは、ガス発電により、蓄熱槽に給湯用の温水をため、給湯・床暖房に応じて使用するとともに1KWの発電をして家屋内の電気をまかなうという設備です。また、ガス発電によるエアコンデショナーもありました。送電ロスがなく発熱を利用するのでCO2の削減につながるということでした。女子学生はキッチンに、男子学生は床暖房の暖かさに憧れていました。
5)関西電力「エルハウス」見学 2005年11月17日15時20分〜16時20分
大阪市淀川区三国本町関西電力「エルハウス」に入館し、40分案内係から説明をうけ、こちらの質問に答えていただきました。オール電化のモデルハウスで、電磁調理器、エアコン、床暖房、そして、深夜電力利用の蓄熱槽に給湯用の温水をため使用するエコキュートがベランダに設置してありました。もちろん太陽光電池も屋根についていました。ここは、3階建ての建物でエレベーターもついており、オール電化の究極のシステムを展示しているので、必ずしもCO2を削減する意図するものではないということがわかりました。学生たちはそれらの総合された設備にそれぞれ関心を示していました。
2.4. 省エネ機器製作企業訪問(演習 I,03回生・01回生)
1)ダイキン工業株式会社訪問 11月18日10時〜11時20分
訪問の目的 ダイキン製エコキュートその他ダイキン製品の説明を受ける
学生7名と、堺市金岡町ダイキン工業株式会社堺製作所金岡工場を訪問し、住設営業部員さんに当方の目的を説明したのち、となりの製品展示場にて技術担当者の方とともに、ダイキン各製品の説明を受け、その間、こちらも質問し答えていただきました。エコキュートは、安い深夜電力を利用し、エアコン・冷蔵庫に使われるヒートポンプを蓄熱槽に外付し熱交換した湯を貯めることによって、ヒータ型蓄熱槽より効率的に電気代を節約できる装置です。同じ仕組みで床暖房もできます。あとは、エアコンの新製品のシリーズを説明してもらいました。学生は、エコキュートとエコウィルとの経済的評価と環境負荷の違いを研究する方針を立てました。
2)神鋼電機株式会社訪問 2005年12月19日10時〜11時20分
訪問の目的 マイクロ水力発電装置および小形風力発電装置の説明を受ける
学生4名と神鋼電機株式会社大阪支社を訪問し、エコ発電営業部部長の方に当方の目的を説明したのち、部長さんから神鋼製小形風力発電装置と新発売のマイクロ水力発電装置について、開発の狙いと問題点について説明していただき、われわれの質問に答えていただきました。小形風力発電装置の「そよ風」はすでに納入実績があるということでそれも茨木市でも導入できるタイプでした。マイクロ水力発電装置は、10mの落差があると5KW発電できるとのことです。学生も興味を示し、どのような河川で設置できるのか法制面からの問題があるということも分かりました。この班の研究課題が見えてきました。
3)ヤンマーエネルギーシステム株式会社訪問 2006年1月12日10時〜11時40分
目的 マイクロガスコージュネレーション機器と市場環境の説明を受ける
学生5名とヤンマーエネルギーシステム株式会社本社を10時訪問しました。営業部空調システムグループ主任さんに10分間当方の目的を説明しました。主任さんからマイクロガスコージュネレーションについて開発の狙いと市場環境について説明していただき、われわれの質問に答えていただきました。11時40分過ぎ説明会は終わり、製品のテスト機をすべて見学しました。マイクロガスコージュネレーションは、ヤンマーのエンジン技術を転用し、ガスでエンジンを回し、発電し、熱を回収、蓄熱槽に貯めて利用するシステムで、エアコンにも利用できる装置です。家庭用には5KW以上なので、販路は限られるとのことでしたが、飲食店やクリーニング店など湯を利用する業種には経済性があるし、エコウィルと同様な理由で、環境負荷を削減することができるということがわかりました。学生は、様々な業種で発電量の違いも連結するとかのうなので販路が拡大できると感心していました。私たちは住居系地域で環境負荷の削減を考えてきましたが、商業・工業地域では、この種の装置を利用すると削減できると思いました。
2.5. 太陽光電池を使った工作
12月、太陽光発電の利用方法について、昨年度、資料を収集したので、それらを参考に、太陽光発電の実用例を各班で作成し、太陽光セルの性質を実感することを提案しました。各班が選んだ作品は、携帯電話ソーラー充電器、ソーラーカー、ソーラー集音アンプ、ソーラークッカー、ソーラーオルゴールおよびソーラーボートです。このうち、実際に製作に取り掛かったのは携帯電話ソーラー充電器、ソーラーカー、ソーラー集音アンプの3つであり、残りは材料をそろえた段階でこの報告書には間に合いませんでした。結果は、ソーラーカーはメーカーの作品を組み立てるのは製品管理がしっかりしているので成功しました。冬至の近いときでしたが走らせるとスピードがでました。ソーラー集音アンプは回路をハンダで作る必要がありますが、失敗しました。充電器はハンダ付けを練習することにしました。十分、検討、練習しないと結果はでないことがわかりました。
2.6. 推計結果の報告書作成(演習II)
2004年度の報告書作成経過は、2005年春休み、就職活動の行事があるときに、航空写
真と調査結果を照合しました。4月からは、就職活動で半数しかこないので、ゆっくり、報
告書の課題を処理することにしました。まず、6月、第一種の残りの調査を演習Iのゼミ生
にしてもらって調査結果を集計しました。7月、枚方の日射量のデータを収集し計算可能に
しました。あとは、地図,図,表の作成をしました。秋から、建築基準法の規制を調べ、
第一種の選択理由を書きました。太陽光・太陽熱の推計の方法を独自に考えることを目標
にしていましたが、結局、京セラの推計式と日本電気硝子の資料から集熱効率の回帰式を
採用することにしました。2006年5月25日に調査報告書第1集を発行しました。
3.太陽光発電・太陽熱調査地域の選択
建築基準法にもとづく住居系用途地域は、第一種低層住居専用地域以外に、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域および準住居地域の5地域があります。今年度は、この地域の太陽光発電および太陽熱利用の推計を実地調査することにしました。11名で、小川町、新中条町、東中条町、新庄町、舟木町、稲葉町主原町、末広町、中津町、寺田町を調査しました。これらの地域は阪急茨木市駅の周辺で調査の利便性はありますが、中高層ビルもあります。学生は設置数が少ないと報告しています。
3.調査地域の選択
3. 1 調査地域の選択基準
私たちは,茨木市の家計部門を調査することを考えていたので,建築基準法および都市計
画法にもとづいて,用途地域を選択基準の第一候補とした.
住居に適した用途地域は,建築基準法第48条および都市計画法第8,第9条に,7種類規定されている.すなわち,第一種低層住宅専用地域,第二種低層住宅専用地域,第一種中高層住宅専用地域,第二種中高層住宅専用地域,第一種住宅地域,第二種住宅地域,準住居地域の用途地域である.
3. 2 調査地域の町名と位置
茨木市の場合の第一種低層住宅専用地域は,北部大阪都市計画図(平成16年2月作成)から作成した図2になる.当該地域の町名は,4節,表5のとおりである.これは,茨木市都市計画課で確認した.調査戸数は,地図と実地調査によって確認した戸数である.
図 1 茨木市の阪急茨木市駅周辺
第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域
近隣商業地域および商業地域

3. 3 住宅の評価基準
太陽光の場合,住宅の評価基準は, 1)屋根の面積を3KW以上発電可能な面積とする,
2)方向および3)屋根の形では判定基準を以下のように決めた.
1) 3KW可能な面積
2)方向 南を可能とし,北西,北東方向は不可能とした.
3)屋根の形 南傾斜型・平面型を可能とし,東西型,南面小型を不可能とした.
太陽集熱器の場合,日本電気硝子製の真空貯湯型ソーラーシステムSP4-2400を3台,保有水量240ℓを使えば,集熱器面積は,1.64☓3=4.92(u)である注3).太陽集熱器は,全戸設置可能とした.
注3)日本電気硝子株式会社建材事業本部ソーラー室「真空ソーラーシステム」2004年3月.
4. 太陽光発電・太陽熱調査地域の調査結果
建築基準法にもとづく住居系用途地域は、第一種低層住居専用地域以外に、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域および準住居地域の5地域がある。茨木市の次の地域の太陽光発電および太陽熱利用の推計を実地調査した。調査結果は次のとおりである.
第一種中高層住居専用地域 舟木町の一部 園田町 桑田町 大同町
大池1丁目の一部 大池2丁目の一部
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
舟木町の一部 |
57 |
0 |
62 |
119 |
0 |
|
園田町 |
358 |
0 |
164 |
522 |
2 |
|
桑田町 |
77 |
0 |
12 |
89 |
0 |
|
大同町 |
52 |
1 |
76 |
128 |
0 |
|
大池1丁目の一部 |
195 |
4 |
107 |
302 |
2 |
|
大池2丁目の一部 |
171 |
0 |
161 |
332 |
0 |
|
合計 |
910 |
5 |
582 |
1492 |
4 |
|
普及率(%) |
|
0.3 |
|
|
0.27 |
|
可能性率(%) |
61 |
|
|
|
100 |
第二種中高層住居専用地域 小川町 新中条町 奈良町の一部 下中条町
東中条町 新庄町
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
東中条町 |
51 |
2 |
116 |
167 |
1 |
|
下中条町 |
118 |
4 |
241 |
359 |
0 |
|
新庄町 |
69 |
2 |
100 |
169 |
2 |
|
小川町 |
52 |
0 |
70 |
122 |
0 |
|
新中条町 |
28 |
0 |
21 |
49 |
0 |
|
奈良町の一部 |
10 |
0 |
12 |
22 |
0 |
|
合計 |
328 |
8 |
560 |
888 |
3 |
|
普及率(%) |
|
0.9 |
|
|
3.4 |
|
可能性率(%) |
58.6 |
|
|
|
100 |
第一種住居地域 舟木町の一部 稲葉町 主原町
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
舟木町の一部 |
46 |
5 |
126 |
172 |
2 |
|
稲葉町 |
60 |
1 |
122 |
182 |
0 |
|
主原町 |
33 |
9 |
109 |
142 |
0 |
|
合計 |
139 |
15 |
357 |
496 |
2 |
|
普及率(%) |
|
4.2 |
|
|
0.4 |
|
可能性率(%) |
38.9 |
|
|
|
100 |
第二種住居地域 末広町 中津町、寺田町
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
末広町 |
79 |
1 |
11 |
90 |
0 |
|
中津町 |
190 |
0 |
122 |
312 |
1 |
|
寺田町 |
109 |
1 |
140 |
249 |
1 |
|
合計 |
378 |
2 |
273 |
651 |
2 |
|
普及率(%) |
|
0.3 |
|
|
0.3 |
|
可能性率(%) |
58 |
|
|
|
100 |
準住居地域 なし
近隣商業地域 別院町 大手町一部 双葉町の一部
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
別院町と大手町一部( |
63 |
0 |
36 |
99 |
0 |
|
双葉町の一部(近隣) |
10 |
0 |
2 |
12 |
0 |
|
合計 |
73 |
0 |
38 |
111 |
0 |
|
普及率(%) |
|
0 |
|
|
0 |
|
可能性率(%) |
65.8 |
|
|
|
100 |
商業地域 双葉町の一部
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
双葉町の一部(商業) |
86 |
0 |
51 |
137 |
0 |
|
合計 |
86 |
0 |
51 |
137 |
0 |
|
普及率(%) |
|
0 |
|
|
0 |
|
可能性率(%) |
62.8 |
|
|
|
100 |
表 5 茨木市4住居系用途地域の調査結果
|
|
○ |
◎ |
☓ |
計 |
H |
|
各町名 |
可能 |
電池有 |
不可能 |
戸数 |
温水器有 |
|
東中条町 |
51 |
2 |
116 |
167 |
1 |
|
下中条町 |
118 |
4 |
241 |
359 |
0 |
|
新庄町 |
69 |
2 |
100 |
169 |
2 |
|
小川町 |
52 |
0 |
70 |
122 |
0 |
|
新中条町 |
28 |
0 |
21 |
49 |
0 |
|
奈良町の一部 |
10 |
0 |
12 |
22 |
0 |
|
舟木町の一部 |
46 |
5 |
126 |
172 |
2 |
|
稲葉町 |
60 |
1 |
122 |
182 |
0 |
|
主原町 |
33 |
9 |
109 |
142 |
0 |
|
末広町 |
79 |
1 |
11 |
90 |
0 |
|
中津町 |
190 |
0 |
122 |
312 |
1 |
|
寺田町 |
109 |
1 |
140 |
249 |
1 |
|
舟木町の一部 |
57 |
0 |
62 |
119 |
0 |
|
園田町 |
358 |
0 |
164 |
522 |
2 |
|
桑田町 |
77 |
0 |
12 |
89 |
0 |
|
大同町 |
52 |
1 |
76 |
128 |
0 |
|
大池1丁目の一部 |
195 |
4 |
107 |
302 |
2 |
|
大池2丁目の一部 |
171 |
0 |
161 |
332 |
0 |
|
別院町と大手町一部 |
63 |
0 |
36 |
99 |
0 |
|
双葉町の一部(近隣) |
10 |
0 |
2 |
12 |
0 |
|
双葉町の一部(商業) |
86 |
0 |
51 |
137 |
0 |
|
合計 |
1914 |
30 |
1861 |
3775 |
11 |
|
普及率(%) |
|
0.8 |
|
|
0.3 |
|
可能性率(%) |
50.7 |
|
|
|
100 |
調査報告第1集では,第一種低層住宅専用地域において,太陽光発電の普及率は約1.1%,太陽熱集熱器の普及率は約1.1%であり,可能性率は62.6%であった.今回,第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域の4地域および近隣商業地域、商業地域を調査した.総合した結果は,太陽光発電の普及率は約0.8%,太陽熱集熱器の普及率は約0.3%であり,可能性率は約50.7%であった.各地域の結果も計算している.茨木市では近隣商業地域、商業地域において可能性率が他の地域より高く、反面、機器の利用は皆無である.
太陽光のCO2削減量は,調査報告第1集より,3kWのパネルで551.3kg‐Cである.240ℓの集熱器で711.48 kg‐Cである.可能な住宅にそれぞれをかければ,その町内のCO2削減量が計算できる.
第一種低層住宅専用地域では,けっぺい率50,容積率100であったが,第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域の4地域は,けっぺい率60,容積率200であり,高さ制限はない.近隣商業地域,けっぺい率80,容積率300であり,商業地域は,けっぺい率80,容積率400である.集合住宅,中層のビルが混在している.集合住宅,中層のビルに対して,温暖化対策を考えると,太陽光・太陽熱利用は可能であるが,それだけでは,CO2排出量を削減できない.集合住宅,中層のビルに対する方法を考える必要がある.そこで,ヤンマーエネルギーシステムを訪問したことは,有意義であった. (西村和志)
5.バイオ班研究報告
5.1 訪問先の体験
訪問先として私たちは、2005年11月16日に八木バイオエコロジーセンターへ訪問した。
訪問先の経過としては、JR京都駅から山陰線に乗り換え、八木駅に下車し、タクシーで、10分くらいの場所にある。事務室にて、所長から、糞尿からメタンガスの製造過程、施設設備の問題点について、1時間30分程度説明を受けた。その後、施設を見学、写真撮影をした。そして、一緒に説明を受けた学生の車で八木駅まで行った。
見学目的としては、家畜糞尿等再利用施設による再生エネルギーについてである。主に見学内容としては、施設設備である。所長に4つの質問をしてみた。
1)施設設備の問題点と建設費用の負担
2)設備の稼動状況、周辺に対する問題点
発電機は3台あるが、現在は2台修理中であるということ。2台はオーストリア製のものであり、60kWの発電を行い、1台は、CAT製であり、73キロワットの発電を行い、すべてが稼動状態なら下水処理、当施設の電力は賄え、売電も可能であるが、現在は2台なので電気は買っている状態であるということである。
3)再生エネルギーおよび生産物によって、設備費は回収できるか?
4) 夜間も稼動しているのか?
稼動している。24時間の稼動状態にあり、また、夜間は無人状態であり、土曜日は糞尿の受け入れを行い、日曜日は受け入れないということになっているようだ。
説明の感想として、茨木市に設置する場合、施設設備の大きさや周辺環境などの条件から、施設の設置は難しい。また、維持費等のコストが高く、施設の故障等が多く、配管などの更新回数が多く、環境面でのプラス面は多いが、経済的にはあまりプラス面が少ないと思った。 (加藤 裕介)
5.2 施設の概要
この施設では、家畜ふん尿処理を堆肥製造のみという従来の方法だけではなく、家畜ふん尿をメタン発酵させることで「バイオガス」を発酵させ、これを用いて発電を行える。これによって施設内で消費される電力はすべて賄うことが可能である。また、地球環境においても発電用の石油の使用縮減ができ、家畜ふん尿から大気中に放出されていたメタンガスを利用することで、地球温暖化の環境に与える影響を考慮した環境にやさしい施設でである。
l メタン施設
このシステムはメタン発酵(空気を供給しない状態で微生物が有機物を分解すること)を中心に、本施設の場合では各農家からバキュームカー等で乳牛と豚のふん尿を収集するとともに、食品工場から発生する(おから)をトラックで搬入し、ふん尿は受入槽に投入し、沈砂槽で小石等の沈降除去を行い、さらに破砕機、破砕ポンプでわらなどを破砕し、原水槽で一時貯留する。(おから)は原水槽へ直接投入され、ここで、ふん尿と混合される。
貯留されたふん尿等は一日数回に分けてメタン発酵を行うBIMA消化槽へ投入され、BIMA消化槽は水温35℃に保つ中温発酵、55℃に保つ高温発酵の2種類のメタン発酵を行う。高温発酵を行った後の消化液は、直接農地へ還元され、液肥として利用される。
メタン発酵の過程では、メタンを約60%含むバイオガスが発生し、このバイオガスはガスホルダーに一時貯留され、ブロワで脱硫塔に送られ硫化水素を除去した後、ガスエンジン式発電機に送られ、ガスエンジン式発電機で発電した電気は施設内の電力を賄うだけではなく、余剰分については電力会社へ売電を行っている。また、燃焼排ガスとガスエンジン冷却水の排熱は、熱交換器を介して温水として回収し、BIMA消化槽の加熱と管理室の暖房や給湯に使われる。
一方、処理し終えたふん尿等は、消化液として排出される。この消化液は消化液槽で貯留された後脱水機に送られ、脱水して固形分の「脱水ケーキ」と液分の「脱水ろ液」に分離されます。脱水ケーキはホイールローダーで堆肥施設に運ばれ、ここで肉牛ふん尿と共に堆肥される。脱水ろ液は排水処理設備に送られ、生物脱窒処理を行い脱水ろ液中の窒素分を除去した後、膜分離、凝集沈殿、オゾン処理を通してSS・リン・色度等の除去を行い、塩素消毒ののち、河川へ放流される。
図2 メタン施設

l 運転状況
受入バイオマスでは乳牛ふん尿61.6t/日、豚ふん尿 3.7t/日、肥育・肉牛ふん尿11.1t/日、廃牛乳2.1t/日、おから4.8t/日、合計83.3t/日(2003.4-2005.3の平均)、年間で合計27,596tを受入している。また、実施稼動時間は365日/年で発電量は1,344,689kwh/年である。収集・運搬方法としては、既に堆肥運搬用の車両を持っている農家もあったため、農家負担を軽減するために各農家からの個別搬入方式とした。輸送車を持っていなかった農家には、FRP製の積載台をリースしており、乳牛・豚農家にはバキュームカーを購入してもらった。農家戸数は、乳牛14戸、肉牛4戸、豚2戸であり、収集範囲(対象農家)は、地域内全農家(収集範囲は3km)として決定した。食品工場はおから・有機汚泥が1箇所、廃牛乳等が2箇所からの受入となっている。原料調達費は農家からの受入価格の設定にあたっては、農家負担が過大とならないようにし、処理量が最も多い経産乳牛を決め、他畜種はふん尿量で換算した。バイオガス量は2年間の平均は2,436㎥/日。メタンガス濃度は57%である。電力利用では2年間の平均発電量は3,684kwh/日(1,344,689 kwh/年)で、日中は場内で利用し、夜間には余剰電力を売電している。(854 kwh/日)している。堆肥の製造は平成16年では、3,469t/年である。窒素分が多く、かつ無機態窒素が多いため追肥として入れられる化学肥料の減量化が図れる。
また、コストでは、イニシャルコストは総事業費17億円になる。補助の内訳は以下のグラフのようになる。
|
|
メタン施設 百万円 |
堆肥施設 百万円 |
|
事業費 |
1.048 |
675.8 |
|
国庫補助金 |
524 |
450.5 |
|
府補助金 |
52.4 |
|
|
町費 |
471.6 |
225.3 |
ランニングコストとは、消化液の水処理のための薬品費(脱水及び脱色の際に添加している高分子凝集材)がかさんでいる。2003年度実績は以下のとおりである。
|
メタン施設 |
堆肥化施設 |
||
|
項目 |
金額 万円 |
項目 |
金額 万円 |
|
薬品費 |
25,909 |
車両燃料費 |
3,056 |
|
電気料金 |
1,247 |
電気代 |
2,909 |
|
発電機メンテナンス代 |
7,402 |
メンテナンス代 |
546 |
|
その他メンテナンス代 |
7,958 |
労務費 |
8,734 |
|
車両・燃料費 |
742 |
消耗品費 |
1,173 |
|
労務費 |
6,000 |
施設管理費 |
973 |
|
その他 |
1,013 |
その他 |
3,585 |
|
計 |
50,271 |
計 |
20,976 |
|
合計 |
71,247 |
||
これによって コスト削減効果は平成16年度の施設内使用電力量は1,134,726kwhであり、コスト削減効果は単価が22円/kwh(基本料金を含む実績値)であり、2500万円/年である(基本料金を含まず12円/kwhとすると1360万円/年)。
エネルギー・二酸化炭素削減効果は年間の実績発電量によるエネルギー削減効果は、1.6×10⁹kcal/年(二酸化炭素換算で約290万t-co₂/年)となる。また、農家活性化では農家はふん尿処理にかける時間が削減(半日程度かかっていたのが、本センターへの運搬・投入にかかる30分程度に短縮された)されたため、畜産農家は野菜作りを始めたり、規模を拡大することができるようになり、設備を増設することになった。
参考文献 (社)日本エネルギー学会[編]『バイオマス・ハンドブック』オーム社出版局、2002
年、p153−154. (川瀬 裕之)
5.3 研究課題
@茨木市の生ごみ、し尿、木材、(家畜糞尿)等のバイオ資源量
まず、茨木市では酪農家、畜産家がおらず八木町のようにメインの原料となる家畜糞 尿等の入手が困難である。(近隣の市町からの持ち込みは可能?)そのようなことから今回は代替となる生ごみ、し尿、木材の量を調べた。以下はそれぞれの量である。また八木バイオエコロジーセンターでは乳牛糞尿61.6t/日、豚糞尿3.7t/日、肥育・肉牛糞尿11.1t/日、廃牛乳2.1t/日、おから4.8t/日、合計83.3t/日(2003.4−2005.3の平均)、年間で合計27,596tを受け入れている。
生ごみ(量は普通ごみの35%で計算)
(単位:トン)

し尿
(単位:トン)

森林資源面積
(各年3月31日現在・単位:ha)

上記のように茨木市では代替原料の量は十分にあるようにだが、その原料が八木町の施設の原料と同様に使えるのかはわからない。
A茨木市にこのシステムを導入する際の問題点
(1)原料の問題。量や質を確保できるのか?
八木町には、酪農家、乳製品加工工場、豆腐工場、和菓子製造工場などがあり、また森林資源が豊富にあることなどから大量の原料を確保できる。
(2)施設・設備の設置の際の費用捻出。また稼動後の採算性などの金銭的な問題。
八木町では施設設置の際、総事業費17億円もの費用を捻出。設置後のランニングコストは、2003年度実績で約7億円かかっており、なかでも(糞尿を脱水した際の水分をきれいにする)高分子凝集剤などの薬品費に2億5000万円ほどの費用がかかっている。
(3)周辺環境への問題。設置場所の問題。
施設周辺では強い臭いはしないものの、施設内ではやはり臭いはきつく、また風向きなどによっては臭いが広がるのではないかと感じ、近くに住宅があるような環境での設置は難しいと感じる。施設自体もかなり大きく広い用地が必要になる。
B年間CO2の削減をデータで計算
年間の実績発電量(1,344,689kWh/年)によるエネルギー削減効果は、1.6×10⁹kcal/年(二酸化炭素換算で●約290万t-CO₂/年)となる。
5.4 京都議定書の目標を達成できるか
茨木市では、市全体でのエネルギー使用量をCO₂換算で、平成13年度を基準として、8%の削減を目標としています。
平成13年度の市全体エネルギー使用量

削減目標は(49,540t×8%=3963.2t)となり3963.2tのCO₂を削減できれば目標達成となる。
4−Bなどから八木町では、年間合計27,596tの原料を受け入れ、1,344,689kwhを発電し、2,900tのCO₂を削減している。
原料1tあたりのCO₂削減量: 2,900÷27,596=0.105t
である。したがって茨木市のCO₂削減量は、
31,240×0.105=3,280.2t (原料は生ごみとし尿で計算)
となり、茨木市の目標である3963.2tにはとどかないが、京都議定書の目標では、
49,540t×6%=2,972.4t
となっているので、目標の実現は十分に可能な範囲である。
(数値などは茨木市ホームページ・統計より)
5.5 おわりに
今回訪問させていただいた八木バイオエコロジーセンターでは、11月の中ごろに訪問したということもあり、これから寒さが厳しくなっていくことや、また糞尿や廃棄物を原料にしていることなどから特に臭いがきつく、今回お話をしていただいた方の前任者の方も?年で辞められたようで、働く環境としては決していいものとはいえず、夏場の暑い時期のことを考えると過酷な職場に感じた。
しかし、働く環境ばかりを見てしまえばいいことは少ないと思うが、環境に対する意味や意義を考えたり、国内初の(プラント)というようにこの施設は大きな意味をなしており、このような施設を設置することには現在盛んに言われている「環境問題」といったものに沿っているものであり、収支の問題などをとやかくいうのではなく、これからはこのような施設を次々と設置してもらいたい。 (柳 洋介)
6.小型水力班研究報告
6. 1 訪問先の体験
僕たちの班は小型水力発電装置の開発を行っている神鋼電機株式会社大阪支社を2005年12月19日に訪問させてもらいました。場所は、地下鉄境線北浜駅を下車して徒歩5分程度のところにあります。そこで神鋼電機の担当者の方から、水力、風力発電の内容について1時間半程度にわたり説明していただきました。
僕たちの生活に必要不可欠な「電気」。しかし、大量の電力消費は、CO2 (二酸化炭素)排出を引き起こし、世界中の深刻な環境問題である地球温暖化へとつながっています。石油を使用しないクリーンエネルギー、自然の力を利用した新たな地球にやさしいエネルギーの活用をということで、今すぐに、身近なところから導入していく必要があります。これからの地球環境を考えたエコ・テクノロジーのために、神鋼電機ではわずかな水流からでも稼動し、電力供給を可能にするマイクロ水力発電装置「リッター水力発電」を開発したそうです。このシステムは。1秒間に数リットル程度の水量で発電が可能なシステムです。山間部や山麓に流れる流水を利用して、家屋や作業現場における常用電源として活用することが出来るそうです。水資源の豊富な日本で、今後更なる活用が期待されるシステムであることがいえるでしょう。
具体的には、地域の渓流や灌漑用水路、上下水道などの水源を利用することができます。そこで発電された電気で、ハウス栽培を行い、冷暖房・照明に利用して、季節調整をした野菜や果物などを都会に出荷し、農業の装置化に大きく貢献しています。その他にも、オートキャンプ場・貸しロッジ・物産館など都会人のニーズに応える施設運営なども小型水力発電を核に可能になっています。
「リッター水力発電」の特長、性能などについては、6.3において述べます。ここでは、この水力発電システムの問題点を考えます。システムの小型化で利用はしやすいが、価格が0.5kwタイプで100万円かかるので、個人で設置しにくいと思われます。この水力発電システムを利用しているところは数がまだ少なく、現在では、神奈川県川崎市の上水場で使用されています。他の問題点としては、設置できる場所には限定があるので、河川法などの法律との調整が必要です。RPS(Renewables Portofolio Standard:新エネルギーの利用促進のため電気事業者に対して供給電力の一定量を新エネルギーとすることを定めた法律)が2003年4月に施行され、「電気事業者による新エネルギー等の利用に関する特別措置法」に基づき義務付けされました。小型水力発電もRPS制度により、新エネルギーとして位置づけられ、風力発電や太陽光発電などとともに電力が電気事業者に買取られるならば、より普及が進むと考えられます。税制面からの軽減措置も期待されています。
水力発電のメリットは、「非常に短い時間で発電開始(3〜5分)が可能」であり、「電力需要変化にすばやく対応(出力調整)が可能(流れ込み式を除く)」であることです。石油や石炭などの限りある資源を有効に使うために、再生可能な水力エネルギーを開発することが必要です。現在では、大規模開発に適した地点の建設はほぼ完了し、21世紀は中小規模の発電所の開発が中心となります。今後、開発可能な一般水力発電所は、約2,700地点、1,200万kWあると考えられており、これらが一年間に生み出す電気の量を原油に換算すると約1,050万klにあたります。
今回貴重なお時間をいただきましていろいろとお教えを受け、本当に勉強になりました。神鋼電機製のマイクロ水力発電機は最近開発されたということで、実際に設置されているところを見学したいと思いました。また、風力発電機については導入例が多くあるようで、これも見学したいと思いました。
神鋼電機さんの自社製品の得意分野を生かしながら、自然エネルギーを利用する発電装置を小型化していこうと考えて製品化していくという実践活動は、今後の温暖化対策で導入が本格化すれば、50年、100年後の地球環境に貢献することになると思いました。水力発電を建設する上での規制緩和の問題や開発コストの問題など、今後取り組む問題があることもよく理解できました。今回はゼミにとっても自分自身にとっても貴重な説明会になったと強く感じました。 (角前嘉規)
6.2 「リッター水力発電」の紹介
「リッター水力発電」の特長は、水車と発電機を一体ユニットにするとともに小型・軽量化を実現している。取水、排水水路につなぐだけで簡単に設置できる。風力発電のノウハウを駆使し、水の水量が変動しても安定な充電制御を行うことができる。構造の簡単なクロスフロー水車(昔の水車小屋の木製水車を小型化したイメージ)の採用により、混入物による破損のリスクを軽減することができる。バッテリーとインバーターを備えたコンパクトな独立電源である。
用途例として、山間山ろくの山小屋や牧場、農業作業場、ハウス栽培、養魚場での常用電源、キャンプ場、無線中継基地用電源、工事現場用移動電源、林業用電源、獣害防止策柵用電源、工業用水の利用、上下水の利用である.
神鋼電機のマイクロ水力発電の仕様
|
|
0.5kWタイプ |
1kWタイプ |
|
水車方式 |
クロスフロー |
|
|
発電方式 |
永久磁石式発電 |
|
|
最大出力 |
0.5kW |
1kW |
|
落差 |
1〜5m |
1〜10m |
|
流水 |
8〜17ℓ/s |
5〜17ℓ/s |
|
バッテリ |
24V |
49V |
|
インバータ |
AC100V500VA |
AC100V1000VA |
|
寸法 |
W540mm×D450mm×H500 |
|
|
質量 |
50kg |
75kg |

6. 3 マイクロ水力発電設備を設置する場合の河川法
マイクロ水力発電装置を設置する場合、河川法にはさまざまな規制が与えられます。その与えられた範囲の中でマイクロ水力発電装置を設置しなければなりません。
河川とは、河川法上一般的に言われる河川のほかに、放水路、湖沼、洪水調整池なども含まれています。もちろん、山奥のチョロチョロと流れている谷川や渓流なども河川になります。また河川の流水とは、伏流水(河床の下を流れている水)なども含まれており、このような河川にマイクロ水力発電設備を設置する場合、河川法の適用をおおいに受けることがわかりました。あと、農業用水路や、上下水道用の水路などはでは河川ではありません。しかし、河川の流水を利用している場合は、その目的に応じて河川法の「流水の占用の許可」を得ているので、これらにマイクロ水力発電装置を設置する場合、目的の変更等が発生します。すなわち、「流水の占用の許可」という面で、河川法の適用を受けるということです。
(1)流水の占用の許可(河川法第23条)
(2)土地利用の占用の許可(河川法第24条)
(3)工作物の新築等の許可(河川法第26条)
【(1)流水の占用の許可(河川法第23条)】
流水の占用の許可とは俗に言う「水利権」です。マイクロ水力発電の導入計画の場合「水利権を獲れば計画の90%は完成したものも同然」というくらい取得が大変です。では何が難しいかというと、次に二つを同時に満たす必要があるということです。
@ 適正な取水量を事業者側で根拠を示して証明すること。
A 関係河川使用者(既得水利権および漁業権者)の同意をうること。
@は、一般河川の場合、多大な時間と労力を必要とします。10年分の水量データを揃え、河川の測量などを実施して維持法水量などを割り出さなければなりません。これらも全て事業主側で根拠を説明するデータを用意しなければならず、説明不足だと、窓口では付き返されてしまいます。
Aは、利害関係が絡んでくるので単純ではありません。農業用水路でも、たとえ土地改良組合の理事長を説得したところで、総会などで反対者が現れればそれでおしまいとなります。漁業組合の同意を得ることも大変です。「魚が水車に巻きもまれて死んでしまうのでダメ」といわれれば終わりとなります。
【水利権制度】
次は流水の占用権の許可(河川法第23条)と関連づけて、水利権制度の内容を述べたいと思います。そもそも「水利権」という用語は、法律上のものではなく、水利権について規定している法律である河川法の中には、出てきません。水を利用する権利として従来からそういう呼び方が定着しているにすぎないものですが、以下の説明の中では便宜上、「水利権」という用語が使用されています。
目的は、河川の流水を占用する目的です。現在、水利使用規定において、水力発電、かんがい、水道、工業用水、鉱業用水、養魚、し尿処理等の区分で表示されています。流水の占用の目的は水利権の内容となるので、占用の量が同じであっても目的が異なれば、別の水利権となります。
そのほか、占用の場所・専用の方法・占用の量・水力発電における落差・流水の貯留における貯留量・許可機関、と多岐にわたり内容が示されてありました。
特に許可期間は水力発電においては30年間、その他の水利利用では10年間と、確定されています。この許可期間の意味は、期限が来たら当然権利が消滅するものではなく、期限前に更新の許可の申請があれば、その権利を消滅させることを必要とする公益上の理由がない限り、更新を許可しなければならないと考えられています。一定の期間ごとに許可の条件について、公益上の観点から再検討し、また、権利の発生しない俗に言う遊休化を排除する機会を河川管理者に与えるものであると解されているのです。
すなわち「慣行水利権」に繋がってくる問題です。
慣行水利権とは、旧河川法が施行された年である「明治29年時点」において。すでに河川から取水を行っていたものを言い、これについては改めて河川法に基づく取水の許可申請行為を要することなく、許可を受けたものとみなされます。慣行水利権の内容は、社会的な承認を受けた慣行によって定まります。
これらの水利権や流水の占用条項を踏まえて、水力発電の許可を申請し、次に設置する行為に移っていきます。
最後に、小型(マイクロ)水力発電機の採算性について、考えてみました。今、小型水力発電装置が再評価されています。通産省が2000年までに約2000ヵ所の小型水力発電を推進する方針を示し、農水省も2000ヵ所で農業用水の利用を推進するということでした。しかし、小型水力発電機に向く水車がなく、コスト高で開発意欲は下火になりました。神鋼電機さんもおしゃっていましたが、出来るだけ開発コストを低く抑え提供できればいいと考えており、企業の環境に対する活動の一環として取り組んでおられることがわかります。
また、設置しても、増水時の調整、流水に含まれるゴミの除去などのメインテナンスの負担がかかります。 (浅田康介)
参考文献・参考資料・引用
河川法 http://www2.tba.t-com.ne.jp/hmc/Law/Water%20right.html
須藤良作「小水力発電の課題は採算性」『環境新聞』2005年7月13日,http://www2.tba.t-com.ne.jp/hmc/Koga%20Sensei/Koga.html
神鋼電機株式会社エコ発電営業部「リッター水力発電」カタログ2005 07BI
6.4. 1 安威川ダムの例
安威川は、京都府亀岡市竜ヶ尾山に源を発し、流域面積約163km2、河川延長32kmの北摂地域で最大の2級河川である。安威川の想定氾濫地域には、約29万人が居住している。2005年8月、府営水道の将来需要見通しの中で、安威川ダムにふれ、ダムの利水規模を当初計画の日量7万tから、一万tに縮小し、建設規模もダムの高さを6m低くし、事業費を大幅に節減することが発表されている。大阪府では、河道の拡幅、遊水地の設置、放水路の設置、ダムの築造の4つの手法を検討した結果、用地買収を伴わない河川改修とダムの築造をあわせて行うことを決定した。2013年の完成を目指し用地の90%は買収済みで、現在は周辺整備工事を進めている。ダムの規模が小さくなったので、中小型発電設備を併設することは可能である。
ここでは、安威川の計画のみ取り上げたが、茨木氏における安威側以外に小型水力発電の条件があてはまる河川を調査する必要がある。少子化傾向が続くようであれば、水需要はあまりのびないから、茨木市の中小河川は氾濫対策が中心になるだろう。氾濫対策事業ともに、茨木市の中山間地における各事業に小型水力発電の電気を利用することができれば、市民生活を再生エネルギーで豊かにできるのではないだろうか。 (井芝正義)
参考文献
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%89%E5%A8%81%E5%B7%9D%E3%83%80%E3%83%A0
http://www.houko.com/00/01/S39/167.HTM
http://www.shinko-elec.co.jp/litter/Defalt.htm
6.4. 2 茨木市の水力発電可能性(平成17年度『特色ある教育報告書』追手門学院大学、2007年3月より)
2006年11月23日(木)、本節担当の演習Uの学生角前嘉規、浅田康介と、レンタカーで、茨木市北部の河川の源流をめざして出発した。前年度神鋼電機小型水力発電機を説明していただき、資料で研究してきたが、最後、茨木市で設置可能な場所があるのか確認する必要があった。まず、安威側ダム予定地を川沿いにみたが、ダム工事は凍結中であり、京都府亀岡市に通じる道路が建設中である。代替農地がダム予定の山の上に造成されている。その先には以前からある採石場が山を半分削り取っている。落差のない中級河川でダムを作る意義は発電より水源と防災しかないだろう。途中で、養魚場、釣堀があったが魚がすむほどの美しい清流ではない。砕石のダンプの土ほこりの中、計画と造り捨ての現場と採石場の喧騒は、行政による環境破壊のデパート展示場のようであった。安威川は落差を期待できないが水量・水圧で発電は可能であろう。しかし、現状のままでは、環境破壊しているので、災害の危険性がある。工事凍結でも防災工事と道路工事は進めないと環境悪化の要因は残されたままのような気がした。
残り、下音羽川と佐保川の2河川上流を回った。下音羽川の上流に、水道局の貯水場があり、貯水池があった。これは、貯水池下の河川まで落差10mはあったので小型水力発電は可能である。佐保川の上流は十分な水量と川下の集落まで落差10mはあり、集落の負荷に利用可能である。ともに、現場をビデオで撮影した。 (西村和志)
6. 5 小型水力発電による年間CO2削減量
CO2削減量については、金山公夫・馬場 弘『ソーラーエネルギー利用技術』p251に、よると、エネルギー種別発熱量あたりCO2排出係数が、表8のとおり示されている。
表8の換算表を使うと、
『NEDO導入ガイドブック』平成10年3月と『太陽光発電評価の調査研究』平成9年3月から、算出条件は、
発電に必要なエネルギー: 2,250kcal/kWh
電力の発熱量当たりCO2排出係数は152.4 kg-C/Gcal である。ここで、1Gcal=1,000,000 kcalである。
1 kWh小型水力発電機を使用すると、年間発電量は、1 kWh×24×365=8,760 kWhである。CO2削減量は
CO2削減量= 発熱量×CO2排出係数
によって計算できるから、
CO2削減量=(2,250kcal/kWh)×8,760kWh×152.4(電力)÷1,000,000kg-C/kcal
= 3003.804kg-C
である。 (井芝正義)
7. ダイキン工業の訪問報告書
7.1 はじめに
この班と次のエコウィル班はダイキン工業をいっしょに訪問する.エコキュートとエコウィルの炭酸ガス削減の比較を研究課題にした.エコキュート班は,ダイキン工業株式会社の訪問体験をまとめることで終わった.エコウィル班は,指示にしたがって報告書を作成してくれた.そこで,西村がエコキュートの説明と,エコウィルとの比較ができるように,ランニングコストとCO2削減量を推計した.
7.2 ダイキン製品説明からの感想
エコキュートは、環境、省エネ、便利さ、それぞれにおいてよく考えられていて、認知度も広まってきているので、これから多くの家庭で普及されていくのではないかと思いました。そして、エコキュートを設置することで掛かる設備費用や、販売価格などの費用に関する知識を高めていこうと思います。
「うるるとさらら」というエアコンは乾燥を防ぐ機能や、肌に優しいヒアルロン酸やビタミンを放出する機能がついていることを伺いました。冬場はエアコンによる乾燥は困ります。湿度があるだけで暖かさも全然違うので驚きました。この様な機能は女性向けに良いと思いました。
省エネ、低コストで環境に優しいという事はこれからの時代には大切な事だと思いますが、取り付け費用が高いことが問題であるとも思いました。
コンビニの設備で三種類の温度の違う機械を一つの機械で作動できる機械があり、メリットとしては、設置場所の縮小、省エネ、などがあると分かりました。新しく設置されるコンビニでは、この設備が増加しているけれども、まだまだこれから現在あるコンビニにも普及されていくと感じました。ダイキン工業の方の説明が大変分かりやすく、詳しく一つ一つの機械を説明して下さったので、とても勉強になりました。
オール電化にする事により、省エネ、エコロジー、安心、低コストなど沢山のメリットがあることを理解することができました。同時に、床暖房など住宅に関しては、やはりリフォームで床を高くしなければならない事、金銭的デメリットもあり、まだまだ問題があることも理解できました。
短い時間の中でエコキュートのことなでを詳しく分かりやすく説明して頂き大変感謝しています。ダイキン工業様は企業相手の会社だと思っていましたが、今では消費者相手のエコキュートをされて同等になっている事に驚きました。
お忙しい中、ダイキンの商品、エコキュートを説明して頂きまして、私たちは今、エコキュートとエコウィルの良い点を比べる調査をしていますので、エコキュートに関する機械の説明やダイキン工業様の他の製品の説明はともに大変ためになる内容でありました
(内村 逸人)
7.3 エコキュートとシステムの紹介
エコキュートは,空気の熱でお湯を沸かすヒートポンプ給湯機である.夜間電力を使用する従来の電気給湯機より,使用する電気の3倍もの熱エネルギーで効率よくお湯を沸かす.その仕組みを図示すると

従来の給湯器は,ヒートポンプユニットがなく,タンク内のヒーターでお湯を沸かしている.エコキュートは,ヒートポンプユニットが,空気の熱をCO2の冷媒に伝え圧縮機でさらに高熱にし,水熱交換器で高温の湯をとりだし,タンクに貯湯し,給湯する.(西村和志)
7.3 ランニングコスト
植村[1,p.60‐66]より,オール電化住宅,ガス併給住宅のランニングコストの比較をする.これような比較は,いろいろな機関で行われているが,植村[1]はその中でも優れていた.
試算条件は,4人家族,木造2階建,4LDK ,延べ床面積140uであるを想定する.
オール電化住宅 ガス併用住宅
電力契約 はぴeプラン 従量電灯A
給湯 電気 ガス
冷暖房 電気 ガス
調理 電気 ガス
その他 電気 ガス
主要比較機器
給湯 全自動電気温水器460ℓ 全自動ガス給湯機
調理 IH調理器 ガスコンロ
冷暖房 ヒートポンプエアコン ヒートポンプエアコン
5台 5台
蓄熱式床暖房 ガス床暖房
その他 電気浴室換気乾燥機 ガス浴室換気乾燥機
総合ランニングコスト
オール電化住宅
夜間蓄熱 電力量計(kWh/年) 光熱費計(円)
電力量(kWh/年) (割引後)
8,533 18,034 225,779
ガス併用住宅
電力量(kWh/年) 電力料金(円) ガス量(㎥/年) ガス料金(円) 光熱費計(円)
7,765 188,171 1,147 119,873 308,044
オール電化エコキュート住宅
残念ながら,全自動電気温水器460ℓをエコキュート460ℓに変えたランニングコストの比較は,データがないので,今のところ計算できない.ホームページhttps//app.cubemagic.
co.jp/EcoCheck/EcoAnswer.aspから,ダイキンエコキュート「フルオートタイプ角型460L(型番:EQ46HFV)で,ガス併用住宅の光熱費を入れると,ダイキンエコキュートを導入するだけで,204,100円と計算された.年間103,900円減少する.オール電化住宅と比較すると,21,679円,9.6%導入効果が出る.
7.4 CO2削減量推計
オール電化住宅とガス併用住宅の年間CO2排出量を推計する.金山[3,p.251]から,
電力の単位当たり平均発熱量は,2,250kcal/kWh,都市ガス単位当たり平均発熱量は,10,000kcal/㎥である.発熱量あたりCO2排出係数kg-C/Gcal(G=1,000,000)は,電力では152.4であり,都市ガスでは,58.4である.
7.3項では,年間の電気・ガスの使用量は,次の通りである.
電力量 ガス量
オール電化住宅 18,034kWh/年 0
ガス併用住宅 7,765kWh/年 1,147㎥/年
CO2排出量は,オール電化住宅では,
(2,250kcal/kWh)×(18,034kWh)×152.4÷1,000,000=6,183.86( kg-C/cal),
ガス併用住宅では,
(2,250kcal/kWh)×(7,765kWh)×152.4÷1,000,000=2,662.6 ( kg-C/cal)
(10,000kcal/㎥)×(1,147㎥)×58.4÷1,000,000=669.85( kg-C/cal)
合計3,332.45 kg-C/calである.
年間CO2排出量は,ガス併用住宅の方が,半分近く少ない.これは,発熱量あたりCO2排出係数が都市ガス58.4に対し152.4であるためである.オール電化住宅は,深夜電力の割引を利用しているので,発熱に電力を多く使用してもコスト面では,約3割安いが,CO2排出量は,約5割増やすことになる.それゆえ,家計から排出されるCO2排出量を,京都議定書の水準に削減するためには,電力会社も原子力発電ないし再生利用可能エネルギーを増加させる一方,家計は太陽光・太陽熱を利用して,CO2排出量ゼロのエネルギーを併用することが望ましい.また,家電等も総合的に電力消費を合理化する必要がある.次節でエコウィルのランニングコスト比較が取り上げられる.CO2排出量に関しては,オール電化より,ガスの方が削減に寄与が大きく,太陽光・太陽熱を併用すればさらに削減効果が大きい結果が予想される. (西村和志)
7.5 おわりに
京都議定書にしたがえば,1990年の家計のCO2排出量は1億2,700万トンであり,これを2008年〜2012年の5年間平均で,年1億3,700万トン排出するのが目標である.2003年10月1日現在,日本の総人口は1億2,761万9千人である.日本人一人当たりの目標排出量は1億3,700万÷1億2,761万9千=1.0735(トン/人)である.上の例で見れば,
4人家族では,目標CO2排出量は1073.5×4=4,294kgである.ガス併用住宅では目標はみたされるが,オール電化住宅では44%オーバーである.太陽光発電と太陽熱利用を組み込めばはるかに削減できる.家計でできる地球温暖化対策は,再生可能エネルギーを取り込んで,省エネ住宅と省エネ機器のライフサイクルを数倍にし,保守・点検を充実することが方向性にあると思われる. (西村和志)
参考文献
1.植村 尚+電化住宅研究グループ『高齢社会とオール電化住宅』井上書院,2003年3月.
2.エネルギーフォーラム編集部『快適、エコなオール電化住宅』株式会社エネルギーフォーラム,2005年8月.
3.金山公夫・馬場 弘『ソーラーエネルギー利用技術』森北出版p.251,2004年.
4.ダイキン工業株式会社 空調営業本部 『ダイキンエコキュート 関西電力エリア内』CR05267B(05.09.040)SW・HP・SS.
8.エコウィル班研究報告
8.1 はじめに
この研究では,エコウィルの理解を深め、経済的効果を知ること、さらに環境にどう影響されるのかも調べ、家計別に見て、よりよい快適空間を作るにはどうすればいいかを研究します。そして、最終的に茨木市全世帯がエコウィルにしたらどれだけのメリットがあるのか、またエコキュートの比較もして、省エネ効果を調べることを目的としています。
8.2 訪問先での体験
吹田市千里万博公園内の大阪ガス生活誕生館の{ディリバ}に入館し、説明を受けました。そこは暮らしのシーンに合わせて3つのプラザで晃セされています。クリーンな天然ガスが心地よい生活空間をデザインする「エネルギーデザインプラザ」。ガスを使って豊かな食をデザインする「キッチンデザインプラザ」。豊かなお湯が省エネルギーで快適な住まいをデザインする「お湯ライフデザインプラザ」。私たちは特に「エネルギーデザインプラザ」のほうを重点的に説明を受けることにしました。とても広くゆったりしていて、たくさんのエコウィルの商品が並んでいました。
私はさっそく驚いたことがあります。それは、来客用の休憩するための腰掛が、暖かったことです。床暖房と同じ仕組みを使って、用意されたものでした。そんな些細なところでエコウィルを活用しているなんて、さすが快適空間づくりをめざしている大企業だなぁと思いました。
まず、はじめにビデオ見学をさせてもらいました。地球上では今、環境問題が深刻化しており、快適なだけでなく、環境に優しいだけでもなく、マイホーム発電{エコウィル}である、という説明をしていただきました。
次に、館内をアドバイザーの方の説明で周りました。小さなモデルルームでどのようにエコウィルが家の中で活躍しているかがわかるような装置があり、エコウィルがあれば快適な暮らしが出来ることを説明してくださいました。また一日でエネルギー消費量が少ない時間は運転を停止するなどのエコウィルの学習機能のすごさも話してくださいました。そしてガスで発電するエコウィルと太陽光で発電するソーラーを組合せダブル発電にすることで買電を削減し、売電量をアップさせる理想的な発電システムが可能になり、エネルギー消費やCO2排出量まで削減できるなど、まさに家計にも、環境にも優しいなど、エコウィルのこれからの将来性についての話もあり、大変エコウィルへの理解が深まりました。
館内での説明が終わると質問会があり、「エコウィルを付けるには大変お金がかかるのでは?」などの質問に「お金はかかるが国から補助金が出ます。」など。質問に丁寧に答えてくださいました。
この体験でエコウィルがどれだけ環境にやさしいのか、とても快適性があり使い易い機能が付いていたりとエコウィルについて理解を深めることができる体験でした。
(瀬合 梓)
8.3 代表的製品やシステムの紹介
マイホーム発電「ECO WILL」の製品について大阪ガスの資料を参考にし、開発の背景から製品の機能と運転の仕組みまでを説明した。
@ ECOWILL開発の背景
「豊かで快適な暮らしを追求する」一方で、「地球上では環境問題が深刻化」している。
その理由はガスの代表とも言える二酸化炭素をはじめとした温室効果ガスの排出量の増加が原因ある。そのため、近年二酸化炭素の削減が迫られ、省エネルギー求められている。
Aシステムの紹介
「豊かで便利な暮らし」と「環境保全」この2つの課題を解決したのが、家庭用発電を可能にしたマイホーム発電「ECOWILL」である。より豊かな暮らしを実現させるために大阪ガスが追求し注目したのは、以下の3点である。
・ 床暖房や浴室乾燥機などの「快適性」
・ 食器洗い機、インターネットなどの「利便性」
・ 常時機械換気、ハウスダストの低減などの「健康性」
主な機能としては、・家庭の電気を自宅でまかなうことができる「マイホーム発電」
・発電時の排熱を使ってお風呂やキッチンのお湯を沸かす「給湯」
・排熱が無駄なく活用できる「暖房」(床暖房他)が上げられる。
B 製品の省エネルギー性
環境面でのメリットとしては、ECOWILLに使われているガスは、クリーンエネルギーの天然ガスである。発電時に発生する熱を、給湯や暖房に活用することで、地球温暖化の原因といわれている二酸化炭素の排出量も減らすことを可能にした。
近年、地球温暖化の厳しい現状を受け止め、人々の省エネ意識が高まっているのも事実である。平成17年3月現在の調査結果では、ECOWILLの累計販売台数21,000台突破した。
C製品の機能と運転の仕組み
ECOWILLはガスエンジンで発電機を回して電気をつくり、エンジンの冷却水と排気から熱を回収し、給湯や暖房に利用する事を可能にした製品である。
・ガスエンジン発電ユニット.・・・環境に優しい天然ガスを燃料とした高効率エンジンで発電機を動かし、で電気をつくる。
又、学習機能により家庭の電力負荷や熱負荷の大きい時間に自動的に稼動し、無駄のない効率的な運動を行う。
排熱利用給湯暖房ユニット・・・ガスエンジンの排熱利用で温水を作り、貯湯タンクに貯めておき、必要なときに利用できる。
温水は給湯用はもちろん、床暖房などの暖房用途にも対応可能である。ガス瞬間式の補助熱源機がついているため、湯切れの心配はない。
下記の図は製品「ECOWILL」を利用した時の運転の仕組みである
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ガスエンジン発電ユニット 排熱利用給湯暖房ユニット
給湯を行う場合・・・貯湯時→発電時のエンジンを、冷却熱と排気の熱でお湯をつくって貯湯タンクに貯める。 給湯時→貯湯タンクのお湯を給湯に使う。貯湯タンクの中の湯温が下がったら補助熱源機が貯湯タンクから出るお湯を加熱する。
暖房を利用する場合・・発電時の熱を排熱で暖房温水を過熱する。暖房の熱が足りないときは、補助熱源機で暖房温水を加熱し、エンジン排熱が余るときは、貯湯タンクに余剰熱を貯める。 風呂追い炊きを利用する場合・・発電時のエンジン排熱と補助熱源機で、お風呂の冷めたお湯を温める。
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8.4 年間省エネ効果
ECOWILLで発電することにより、購入電力の約35%を自宅でまかなう事ができるため、電気代を大幅に削減することができる。
又、発電の際に出る排熱も効率がよく、家中の給湯や暖房にも活用できるので、メリットがより大きくなる。
〜購入電力量比較〜




従来システム ECOWILL
〜1年間のランニングコスト比較〜
床暖房を設置しECOWILLを導入した場合・・・・・
光熱費が約31,000円/年 オトク!!!!
ファンヒーターを使用し、ECOWILLを導入した場合・・・・
光熱費が約44,000円/年オトク!!!!




従来システム 従来システム ECOWIIL
(ファンヒーター使用) (床暖房設置)
※計算条件 〜戸建住宅4人家族での想定〜
●従来システム(ファンヒーターを使用)の使用機器:ガス給湯器、ガスファンヒータ
(LD)、コンロ、LD以外の暖房および冷房は電気エアコンを使用。
○ 年間ガス使用量732㎥、一般料金適用
○ 購入電力量5389kWh、従量電灯A適用 合計ランニングコスト228,000円
●従来システム(床暖房設置)の使用機器:ガス給湯暖房機、ガス温水床暖房機(LD)、
ミストサウナつきガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、LD以外の暖房および冷房は電気エアコンを使用。
○ 年間ガス使用量888㎥、床暖房料金オプション割引9%適用
○ 購入電力量3,520kWh、従量電灯A適用 合計ランニングコスト215,000円
● ECOWILLの使用機器:ガス発電・給湯暖房機・ガス温水床暖房(LD)・ミストサウナ機能つきガス温水浴室暖房乾燥機、ガスコンロ、LD以外の暖房および冷房は電気エアコンを使用。
○ 年間ガス使用量1,112㎥、ECOWILL料金オプション割引9%適用
○ 購入電力量3520kWh、従量電灯A適用 合計ランニングコスト184,000円
※上記は都市ガス仕様の試算であり、LPガス使用のランニングコストはガス料金単価により異なる。
つまり、ECOWILLは一つのエネルギーから電気や熱のエネルギーを同時に作り出せるので、無駄なく利用できるという事である。
よって、排熱の有効利用と電気代の低減で、家全体のランニングコストを抑えることができる。
8.5 「ECOWILL」×「SOLAR」とは・・・・
エネルギーを効率よく使うECOWILLに太陽光発電を組み合わせたシステムである。
地の恵み「天然ガス」と天の恵み「太陽光」を生かし、地球環境にも家庭にも優しい暮らしを実現した。「ECOWILL」×「SOLAR」のメリットは以下の3点である。
先進性・・・・WCOWILL発電と太陽光発電のふたつを組合せ(ハイブリット)、使用する場所で発電する(オンサイト発電)でエネルギーを効率よく使う組合せ。
この2つの組合せが理想のエネルギースタイルを実現する。
環境性・・・・自然エネルギー「太陽光」と、クリーンで環境性の高いエネルギー「天然ガスを使って発電するので、地球に優しい住宅が実現する。
経済性・・・・ECOWILLはオンサイト発電に加え、太陽光とのW発電により、太陽光発電の余剰(売電)量も多くなるので、経済性に優れている。
(辻本 博美)
8.5 おわりに
エコウィルはマイホーム発電ができる、全く新しい給湯暖房システム。
発電時の排熱を給湯・暖房等に利用することで、家全体はぐんと快適。しかも、環境にやさしく経済的。
@家計にやさしい
ガスを利用して電気をつくるので電気代が大幅ダウン。
エコウィルは天然ガスを燃料として自宅で発電するため、電力会社から購入する電力を大幅に削減することができる。エコウィル設置前のファンヒーター使用時に比べ、標準的な4人家族の場合でも家全体の光熱費として、1年間で約4万円も節約できる。
エコウィルは、家中のガス料金がお得になる「ホームエコ料金」が適用できるのだ。
A人にやさしい
排熱を利用し、床暖房や浴室暖房乾燥に。やさしい温もりを実感する快適な暮らし。
エコウィルで発電した電気は、家中の約30〜40%程度の電気をまかなうことができる。運転していない場合や不足する場合は、従来通り電力会社の電気を使う。
また、発電時の排熱を利用して約70℃のお湯を貯湯し、お風呂やキッチンで利用する給湯機能も充実する。いつでもたっぷりのお湯が家中で使えるのだ。
さらに、低温水で床面から穏やかに暖める床暖房。エアコンの暖房のように空気を対流させないため、音や風もなく、足元から自然なあたたかさを感じることができる。
浴室乾燥においては、冬の浴室も暖かく暖房しておくと、急激な温度変化による体への負担を防ぐ効果がある。浴室暖房乾燥があれば、浴室が衣類乾燥室に早変わり。一年中快適で安心のバスライフが楽しめる。
B地球にやさしい
エネルギー利用率はなんと85%!!大切な資源を有効に活用。
エコウィルでは、発電効率で約20%、排熱を利用する効率で約65%が利用でき、85%のエネルギーを有効活用できる。遠隔地でまとめて発電している従来型発電の場合、発電時に発生する熱を利用することができず、送電によるロスもあり60%以上のエネルギーが利用できずにムダになってしまう。
同じ量の電気をつくるのに、エコウィルなら20%も少ないエネルギーで大丈夫なのだ。
必要なときに必要な分だけ発電したり、お湯をつくるからムダがない。
エコウィルは時間による制限がなく、エネルギー利用効率が高い時に発電し、同時にお湯を作ることができるシステムである。大量のお湯を長時間保温する必要がなく、放熱ロスが少ない省エネ設計。万一、湯切れした場合にも、20号の給湯能力を持つ補助熱源機が稼動するため安心なのだ。
経済性、快適性、省エネ性、環境性、先進性、これらを同時に実現させたのが、マイホーム発電、「エコウィル」なのだ。 (末安優美子)
9.ガス・コージュネ班研究報告
9.1 ヤンマーエネルギーシステム株式会社での体験
私たちは、ヤンマーエネルギーシステム株式会社を訪問し、コージェネレーションシステムについてセつめを受けた。今、この世の中は、地球温暖化という環境問題に悩まされている。その原因は、日本で一番利用されている火力発電による二酸化炭素の排出である。他の会社も色々な地球温暖化対策を行っているが、ヤンマーエネルギーシステム株式会社は、火力発電で活用されない排熱をコージェネレーションシステムによって、今まで使えず捨てていた排熱を給湯に利用し、エネルギー効率を上げて、環境保全に貢献している。
コージェネレーションシステムは、ガス発電に伴う排熱を利用し、お湯を作ることでエネルギーロスを軽減し省エネルギーにつながるので、お湯をよく使う業界に導入されることが多いようである。その中でも力を入れているのが、5kWのコージェネレーションシステムである。主に設置されている場所は、病院・福祉施設・ホテル・飲食店・銭湯・レジャー施設である。外国と比較すると日本では導入は少ないが、年々システムの導入が上昇傾向にある。市場実績は、2500台でシェア80%(平成17年12月20日現在)で国内No.1である。
本報告は、9.2で、コージェネレーションシステム・ガスヒートポンプエアコンの内容とその利用についてまとめた。9.3で、茨木市に導入した場合の炭酸ガス削減した場合の試算を考えた。 (西口 直樹)
9.2 コージェネレーションシステムとガスヒートポンプエアコン
CGS(コージェネレーションシステム)を利用したCPシリーズの製品について説明する。環境負荷の低いガスを燃料にガスエンジンが発電機を駆動させ電気を作る。その時に発生する熱を利用し、お湯を作ることで無駄なエネルギーロスを軽減するのがCGSである。必要な場所で発電(オンサイト発電・分散電源)することで、排熱を有効利用することができる。一般的な発電と比べ、放熱ロスが少ないので、省エネルギー、省コストに大きく貢献する。
従来の火力発電方式とCGS導入時と発電効率を比較すると、従来の火力発電方式は38%、CGS導入時は総合効率が70〜85%となり省エネルギーを実現できる。また、CGSを導入すればCO2の削減ができ環境保全にも貢献する。製品別にそれぞれCP5VB、CP10VB、CP25VB、をみると表1のようになる。
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表1 CGS導入によるCO2削減 |
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削減量 |
杉の木植林換算 |
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CP5VB(5kW) |
6.35t/年 |
577本 |
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CP10VB(9.9kW) |
13.13t/年 |
1,194本 |
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CP25VB(25kW) |
34.54t/年 |
3,140本 |
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<試算条件> |
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・火力発電平均でのCO2排出係数 : 0.689CO2/kWh ・CGSの排熱回収率を90%とする |
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・LNGのCO2排出係数 : 0.0494kgCO2/MJ ・CGSの運転期間:3650時間/年 |
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・給湯器の熱効率を90%とする ・発電出力は補機電力を除いた出力とする |
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このように、CGSは省エネルギー、省コストにつながるだけでなく、CO2削減といった環境保全にもつながる。
CGSを利用した製品がCP(コージェネレーション パッケージ)であり、図1のとおり、飲食店・福祉施設・病院・温浴・ホテル・工場等を中心に導入している。
上述のように、CGSは熱を利用し、お湯を作ることで無駄なエネルギーロスを軽減し省エネルギーにつなげるので、お湯をよく使う業界に導入されることが多いようである。
市場実績は、2500台・シェア80%(平成17年12月20日現在)で国内No.1である。
次に、GHP(ガスヒートポンプエアコン)について説明する。GHPはガスエンジンでコンプレッサを駆動し、ヒートポンプサイクルによって冷暖房を行うシステムである。一般に液体が気化すると周囲の熱を奪い、気体が凝縮して液化すると熱を発生する性質がある。この性質を利用し、冷媒をコンプレッサで循環し、機械的に気化と液化を繰り返すことによって、冷暖房を行う仕組みをヒートポンプサイクルと呼ぶ。
電気式ヒートポンプエアコンとの違いは、コンプレッサを駆動させるのが電気モータかガスエンジンかの違いだけである。GHPの室内機やその操作は電気式のものと同じで、ガスが室内で燃焼することもない。しかし、動力源の違いによって大きなメリットが生まれる。
GHPのメリットは、エンジンの排熱を暖房に有効活用しデフロスト(霜取)運動が不要で、快適温度まで一気に上がり、すばやく高い暖房能力を発揮する。また、外気温度が下がっても快適暖房を保てる。
経済的メリットとして、GHPはガスエンジンで駆動して、ファンや補機に電力を使うだけなので、消費電力は同クラスの電気式エアコンの1/10に抑えることが可能である。小電力のうえ、経済的なガスが主エネルギーなので、ランニングコストの低減も図れる。また、室内負荷にあわせてエンジン回転数を制御するインバータ効果で、無駄のない経済的で快適な運転を可能にする。
また、CPと同様にCO2、Nox排出量削減といった環境保全にも貢献している。
しかも、CPとGHPを複合させることによって、よりトータルコストを抑えることができる成功事例がある。これらを複合させることによって、空調電気料金が掛からなくなるが、ガス料金自体は増加するし、GHPによる高圧回避だけではメリットが出にくい。CPを複合させることにより、さらにガス料金は増加するが、それ以上に照明等の電気料金を大幅に抑えられる。したがって、CPとGHPを複合させることによって真価を発揮できると考えられる。
なお、この報告書は1月12日にヤンマーエネルギーシステム(株)を訪問し、説明していただいた資料をもとに作成したものである。
(太田昌樹)
9.3 CP5VB導入によるCO2排出量削減試算
茨木市にマイクロコージェネレーションシステムを導入すると仮定した場合について考える
・CP5VBを定格運転する。
発電出力 4.76kw
排熱回収 9.6kw
燃料消費 17.2kw
試算条件
・ 火力発電平均でのCO2排出係数:0.689kg-CO2/kwh
(出典)エネルギー資源学会第19回研究発表講演論文集『地球温暖化対策評価におけるCO2 排出原単位に関する考察』
・ LNG(13A)のCO2排出係数:0.0494kg-CO2/MJ
(出典)環境省地球環境局2003.7『事業者からの温室ガス排出量算定方法ガイドライン(試案)』より抜粋
・ 給湯器の熱効率を90%と仮定する
・ コージェネの運転時間:3650時間/年
・ コージェネの排熱回収率を90%とする
・ 発電出力は補機電力を除いた出力とする
試算表
火力発電平均で4.76kwの電力を発電したCO2排出量…11970.69kg-C O2/年
4.76×0.689×3650
給湯器でのCP5VB排熱回収熱のCO2排出量…5539.12kg-C O2/年
9.6×0.9×3.6×0.0494×3650
CP5VBを定格運転した時のCO2排出量…11164.80kg-C O2/年
未導入…11970.39+5539.12…17509.81kg-C O2/年 約17.51t-C O2/年
導入後…11164.80kg-C O2/年 約11.16t-C O2/年
導入によるCO2削減量
17.51−11.16=6.35t-C O2/年
排熱利用の温水を無駄なく利用すると、火力発電のみで発電した場合の17.5tと比べると年間CO2排出量は▼6.3t減り11.2tとなる
※ ヤンマーエネルギーシステム(株)の資料より抜粋
ランニングコストは資料にはないが、「平成17年度住宅/建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業費ほじょ区」がCP5VB(5 kW)に対して支給される。本体価格290万円に対して、従来機器との差額の2分の1は65万円である。
従来の発電費用との比較との比較をしてみると、1kWhあたりの費用比較では
・ LNG火力 5.9円
・ 石炭火力6.3円
・ 石油火力10.2円
・ 水力13.6円
である。燃料がLNGであるから、その他の燃料と比較するとコストで優位にある。
※参考資料(http://mext-atm.jst.go.jp/atomica/15010303_1.html)
結論
CP5VB(5kW)はガスから0.81というかなり高い割合でエネルギーを抽出でき手居るので、採用することによりコスト削減につながると思われる。CO2削減率も約36 %であり、石油火力発電に比べるとかなり優位である。一方で、石炭火力発電に比べるとCO2削減排出の面においてかなり優れているが、コスト面では未だ劇的な差異はない。結論として、CP5VB(5kW)をはじめ、発電量の大きい機種まで、市場に普及するには多少時間がかかるかもしれない。現段階において、CPが茨木市の各種事業所で採用されるならば、理論的に、未設置の場合のCO2排出量は約36%削減できる。商業・サービス・事業所等は京都議定書の基準年1990年で1億6千4百t-C O2排出している。5年間平均の目標排出量は1億6千5百t-C O2である。2005年では、2億3千4百t-C O2であり、1990年基準で、42.2%像である。したがって、CPは削減のための憂苦な装置であるといえるが、2008年度から、2012年度の5年間にこの種の装置がどの程度普及して、削減目標を達成できるかは、事業所の自主努力だけでは無理があるように思える。
(上治 貴之)
調査担当したゼミ生
03回生および01回生
浅田 康介 池原 啓太 井芝 正義 岩切 涼 上治 貴之 内村 逸人
太田 昌樹 角前 嘉規 末安 優美子 瀬合 梓 辻本 博美 中西 和也
山本 孝 坂井 順一 加藤 裕介 川瀬 裕之 辛 ケン 西口 直樹
柳 洋輔 王 立夫
追手門学院大学 2005年度および2006年度特色ある教育プロジェクト
再生可能エネルギーの推計
調査報告書 第2集
編著者 西村 和志
発行日 2007年6月25日
発行責任者 西村 和志
印刷所 追手門学院大学印刷室